かかりつけ薬剤師指導料は廃止。服薬管理指導料に統合【2026年診療報酬改定情報】
2026.03.02

2026年(令和8年)は、2年に1度の診療報酬改定が行われる年です。
今回の改定の一つに、薬局・薬剤師業務のあり方を変える「かかりつけ薬剤師指導料」の廃止と「服薬管理指導料」への統合があります。この変更は、国が推進するかかりつけ医機能の評価見直しとも連動し、形式的な届出よりも「実際に何をしたか」という成果やプロセスが重視される内容になっています。改定内容を知って、業務に役立てましょう。
この記事では、かかりつけ薬剤師指導料変更の概要と、現場の薬剤師が押さえておくべき対策について解説します。
目次
背景
令和6年度の調査では、かかりつけ薬剤師指導料およびかかりつけ薬剤師包括管理料を届け出ている保険薬局は、全体で79.3%でした。数字上は多くの薬局が体制を整えているように見えますが、国が「患者のための薬局ビジョン」で掲げていた「2025年までに全ての薬局がかかりつけ薬剤師機能を持つ」という本来の目標達成には至っていません。
今回の改定は、かかりつけ薬剤師の普及や患者さんによる選択を促進する観点から、かかりつけ薬剤師指導料と服薬管理指導料について見直しがなされました。患者さん自身がメリットを感じて選択できるよう、形(届出)から実質(行動)へと評価の軸足を移し、真の意味での普及促進を図る狙いがあります。
概要および変更点
今回の改定で、かかりつけ薬剤師指導料が廃止され、服薬管理指導料へ統合されるという再編が行われました。評価の軸足が肩書きから実務へと移ったわけですが、このことについて、点数体系の変更と新設された加算、見直された要件の3点から解説します。
かかりつけ薬剤師指導料は廃止。服薬管理指導料にかかりつけ薬剤師の評価項目を内包
変更点は、独立した点数だったかかりつけ薬剤師指導料が廃止、服薬管理指導料の中に組み込まれ、以下のとおり、かかりつけ薬剤師であってもなくても、ベースとなる点数が同点に設定されました。
【服薬管理指導料】
| 1.原則3月以内に再度処方箋を持参した患者に対して行った場合 | イ.かかりつけ薬剤師が行った場合:45点 ロ.イ以外の場合:45点 |
| 2.1の患者以外の患者に対して行った場合 | イ.かかりつけ薬剤師が行った場合:59点 ロ.イ以外の場合:59点 |
つまり、かかりつけ薬剤師であること自体への加点はなくなり、通常の服薬指導料と一本化されたのです。これは、次に解説する実際のサポートへ評価の配分が移行したことを意味します。
実際のサポートに対して加算新設
ベース点数が一本化された代わりに、かかりつけ薬剤師としての具体的な行動に対する評価が新設・拡充されました。
- 薬剤師フォローアップ加算(50点):電話などにより、服薬状況、残薬状況などの継続的な確認および必要な指導などを個別に実施していた場合(3月に1回に限る)。
- かかりつけ薬剤師訪問加算(230点):患者宅を訪問して、残薬の整理、服用薬の管理方法の指導などを実施し、その結果を保険医療機関に情報提供した場合(6月に1回に限る)。
これらは、来局時の指導だけでなく、その後の継続的な見守りや在宅対応への一歩といった実務を評価するものです。待ちの姿勢ではなく、薬剤師側から積極的に関与するのが、薬局の収益および薬剤師の評価に直結する仕組みに変わりました。
かかりつけ薬剤師要件は、6カ月以上在籍と短縮
かかりつけ薬剤師になるためのハードルとなっていた要件も緩和されました。当該薬局への在籍期間要件が、従来の1年以上から6カ月以上へと短縮されています。これにより、転職して間もない薬剤師でも、早期にかかりつけ薬剤師の役割を発揮できるようになりました。
一方で、薬局全体の質を担保するため、「薬局における勤務薬剤師の平均在籍期間が1年以上」または「管理薬剤師の勤務期間が継続して3年以上」という施設要件が追加されました。個人の要件を緩和しつつ、薬局全体としての地域定着や継続性を担保するバランスの取れた内容となっています。
薬剤師さんが注意すべきポイント
今回の改定で、かかりつけ薬剤師は特別な存在から標準的な業務の一部へとシフトしました。重要なのは以下の3点です。
- 「行動」が評価される:肩書きによる一律の点数が廃止されたため、電話フォローや訪問などの具体的なアクションを起こせないと、実績(点数)がつかなくなりました。
- 転職時のハードルが軽減:在籍要件が6カ月に短縮されたことで、スキルさえあれば新しい職場でも早期に活躍可能です。逆に言えば、在籍期間以外の認定などの要件を常に満たしておくことが、キャリアの強みになります。
- 求められるコミュニケーション能力:電話でのフォローアップや訪問対応は、対面以上のコミュニケーションスキルや臨床知識が必要です。
制度変更は、意欲ある薬剤師にとっては追い風です。「ためとこ」などのeラーニングを活用し、日頃から臨床知識を磨いておくことが、これからの薬剤師としての市場価値を決定づけるでしょう。
まとめ
2026年改定により、かかりつけ薬剤師制度は実質的な患者サポートを評価する時代に入りました。制度が求めるのは、患者さんの生活に踏み込んでサポートできる薬剤師です。日々の研鑽がこれまで以上に評価やキャリアに直結するため、在籍要件の緩和は、やる気のある薬剤師にとってプラスになるでしょう。
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