冬のドライアイが悪化しやすい理由と日常でできる対策
2025.12.13

冬になると、目の乾きや疲れが気になりやすくなります。これは、空気の乾燥や暖房の使用で涙が蒸発しやすくなるためです。さらにパソコン作業が続くと瞬きの回数が減るため、ドライアイの症状が強く出ることがあります。放置すると、頭痛や肩こりなど目以外の不調につながることも少なくありません。
ここでは、冬にドライアイが悪化する理由と、毎日の生活で取り入れやすい対策、受診を考える目安をまとめました。
目次
冬にドライアイが悪化しやすい理由
冬は環境的にもドライアイが進みやすい条件がそろっており、普段は気にならない人でも乾きを感じやすくなる季節です。
乾燥した空気による涙の蒸発
冬は湿度が低く、涙が蒸発しやすい環境になります。
特にコンタクトレンズを使っている人は、乾燥を強く感じやすい傾向があります。外出時の冷たい風や室内の暖房も重なり、乾きやすい状態が続きます。
暖房の風で目の水分が奪われる
エアコンの暖かい風は、涙の水分をさらに奪ってしまいます。
薬局やオフィスのように、常にエアコンがきいている場所では、目の表面が乾燥しやすく、夕方にかけてしみるような違和感が出ることもあります。風が直接当たる席では特に症状が強くなりやすいため、配置や風向きで調整すると負担が軽くなります。
パソコン作業により瞬きが減る
パソコンやスマホに集中している時は、無意識に瞬きの回数が減ります。
本来、瞬きは涙を目全体に広げる役割があるため、回数が減ると涙の膜が不安定になり、表面が乾きやすくなります。仕事や勉強で画面を長時間見続けると、乾燥と瞬きの減少が重なりドライアイが進みやすくなります。
日常生活でできるドライアイ対策
少しの工夫で、日中の乾燥や不快感を大きく減らすことができます。特別な準備がなくても始められる方法ばかりなので、気になるものから取り入れてみてください。
加湿で室内の乾燥をやわらげる
加湿器を使うと、室内の湿度が保たれ涙の蒸発がゆるやかになります。加湿器がない場合は、濡れタオルを室内に掛けるだけでも効果があります。湿度は40~60%を目安にすると、肌や喉にも優しい環境になります。
暖房の風が直接目に当たらないように調整する
暖房の風が直接目に当たると、涙の蒸発が早まり乾燥が一気に進みます。風向きを変えたり、座る位置を少しずらすだけでも大きな違いが生まれます。
車の暖房も同様で、顔に風が向かないように調整するだけで乾きが和らぎます。
パソコン作業中は意識して瞬きを増やす
長時間の画面作業では、意識して瞬きを行うだけでも涙の広がりがよくなります。1時間に1度は画面から目を離し、遠くを見る習慣をつけると目の緊張もほぐれます。ゆっくりと目を閉じて数回瞬きをするだけでも、乾きが軽くなります。
まぶたを温めて涙の質を整える
温かいタオルやホットアイマスクでまぶたを温めると、涙の油分を分泌する腺が働きやすくなり、涙の質が整います。数分温めるだけでも、目の表面がしっとりし、乾きが和らぐことがあります。寝る前の習慣にすると、翌日感じる乾燥も軽減されやすくなります。
コンタクトレンズを意識的に使わない日をつくる
乾きや刺激が強い日は、眼鏡に切り替えるだけで負担が大きく減ります。コンタクトレンズは涙の蒸発を助長しやすいため、特に冬は「意識的に使わない日」を作ることも大切です。
症状が強い場合は早めに受診を
セルフケアで改善しない、あるいはいつもと違う不調がある場合は、早めに眼科を受診することが大切です。
受診を考えるべき症状
次のような症状が続く場合、ドライアイ以外の病気が隠れている可能性もあります。
・目の痛みが強い
・視界がかすむ
・涙が極端に少ない、または逆に出すぎる
・頭痛や肩こりが続く
・全身のだるさが出る
乾燥と思い込んで放置してしまうと、角膜に傷がついたり、症状が長引いたりすることがあります。
早めに眼科を受診するようにしましょう。
ドライアイ以外の病気が隠れていることもある
強い乾燥の裏側には、角膜炎、アレルギー、眼精疲労などが隠れている場合もあります。とくに痛みや視力の変化がある時は、早めの受診が安心です。
市販の目薬で改善しない場合の対応
市販の目薬を使っても改善しない場合は、成分が合っていない可能性もあります。
防腐剤が少ないタイプに替えると改善することもありますが、症状が続く場合は眼科で処方される目薬を検討しましょう。
まとめ
冬は乾燥した空気、暖房、パソコン作業などが重なり、ドライアイが悪化しやすい季節です。加湿や目を温める習慣、瞬きを意識するなど、少しの工夫で目の負担は大きく減らせます。痛みや視力の変化を感じた場合は、無理をせず早めに受診することが大切です。
日常のケアで乾きにくい環境を整え、冬の目の不調を上手に予防していきましょう。
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