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ロキソニン指定第二類への移行で何が変わるか。販売ルールの変更点を解説

ロキソニンSなどに含まれるロキソプロフェンのリスク区分について、2026年7月29日、薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が審議を行いました。

リスク区分の変更は厚生労働大臣の告示で行われます。告示が改正されるまでは対象製品は第一類医薬品のままで、販売時の手順は変わりません。

本記事では、決定している範囲と区分が指定第二類医薬品へ移ったときに変わる販売ルールを整理します。販売に従事できる者、情報提供、陳列、掲示のどこが変わり、購入者からの相談にどう応じるのかがわかります。

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ロキソニンの指定第二類移行はどこまで決定したか

2026年7月29日に審議されたのは、ロキソプロフェンを指定第二類医薬品へ移すかどうかです。リスク区分の指定と変更は、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いたうえで告示によって行うと薬機法第36条の7が定めており※1告示はまだ出ていません

対象はロキソプロフェンを含む内服薬です。区分が移れば、薬剤師だけでなく登録販売者も販売に従事できます。変更の時期は、告示が改正される日で決まります。

現時点のリスク区分は第一類のまま

ロキソプロフェンを含む一般用医薬品(内服)の現在のリスク区分は第一類医薬品で、この区分が決まった告示日は2015年1月22日です※2。販売できるのは薬剤師のみで、書面を用いた情報提供と、購入者の状況の確認が義務として求められます。第一類医薬品としての販売は、告示が改正されるまで続きます。

審議の対象は第一類医薬品のロキソプロフェン

今回の対象成分は「ロキソプロフェン」で、投与経路は経口です。同じ成分を含む第一類医薬品は、31製品あります※2

内訳は、第一三共ヘルスケアの6製品のほか、バファリンEX、ナロンLoxy、コルゲンコーワ鎮痛解熱LXα、各社のロキソプロフェン錠です。総合感冒薬や貼付剤・ゲル剤は今回の対象に入りません。

調査会は結論を出す場ではなく事前整理の場

厚生労働省が示す手順では、安全対策調査会が事前整理を行います※3。その結果とパブリックコメントの結果を踏まえて医薬品等安全対策部会が審議し、区分変更の可否が決まります。

部会の審議と告示が残っているため、調査会で事前整理が終わっただけでは区分は確定しません。指定第二類医薬品への変更が確定するのは、告示が改正された時点です。

厚生労働省の公表資料は審議の実施までを示す

令和8年度第5回の調査会のページには、議事録が追って掲載されるとの記載があり、2026年8月21日時点では公表されていません※4

厚生労働省が公表する要望申出状況でも、ロキソプロフェンの検討状況の欄には、7月29日の調査会で審議したことだけが記載されています※5。調査会が了承したかどうかや、どのような条件が付されたかは、公表された資料からは確認できません。

条件を付したうえで指定第二類医薬品とする方向で事前整理が進んだことは、業界紙が報じています。告示や議事録で確認できる事実と、報道で伝えられた条件は分けて扱いましょう。

※1 出典:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(2026年8月21日閲覧)
※2 出典:PMDA「一般用医薬品・要指導医薬品 情報検索」(2026年8月28日閲覧)
※3 出典:厚生労働省「参考資料2-8 リスク区分変更検討手順」(2026年8月21日閲覧)
※4 出典:厚生労働省「令和8年度第5回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 資料」(2026年8月21日閲覧)
※5 出典:厚生労働省「一般用医薬品のリスク区分変更に関する要望申出状況」(2026年8月21日閲覧)

区分の再検討が動いたのは令和8年4月の定期見直し

一般用医薬品のリスク区分の変更の要否を定期的に検討する仕組みが、令和8年4月1日から適用されています※1。長年にわたり第一類医薬品にとどまる品目があるため、令和7年に閣議決定された規制改革実施計画と総合経済対策で検討が求められていました。

検討の対象になるのは、5つの要件をすべて満たす品目です。

  • 一般用医薬品であること(第一類・第二類・第三類を含む)
  • リスク区分指定から3年以上経過していること
  • 指定時と比べて、副作用・適正使用状況・類薬状況・指定理由・理解度のいずれかに変化が認められること
  • 区分変更の要望が提出されていること
  • 製造販売業者から必要資料が提出されていること

要望の申出は、企業、団体、学会、消費者など誰でも随時行えます。令和8年8月1日時点では、ロキソプロフェンのほかに、ファモチジンとトラネキサム酸(しみ(肝斑に限る。)改善薬)の2成分について要望が受け付けられています※2。いずれも現在の区分は第一類医薬品です。

※1 出典:厚生労働省「参考資料2-7 一般用医薬品のリスク区分の変更の要否を定期的に検討する仕組みについて」(2026年8月21日閲覧)
※2 出典:厚生労働省「一般用医薬品のリスク区分変更に関する要望申出状況」(2026年8月21日閲覧)

第一類と指定第二類で変わる販売ルールの差分

区分が指定第二類医薬品へ移ると、販売に従事できる者と、情報提供および確認の義務が変わります※1。売り場では、陳列できる場所と、購入者への注意喚起の要否が変わります※2

項目第一類医薬品指定第二類医薬品
販売に従事できる者薬剤師薬剤師または登録販売者
質問がなくても行う情報提供書面を用いた情報提供が義務努力義務
購入者への事前の確認義務努力義務
販売記録義務努力義務
相談があった場合の情報提供義務義務
陳列購入者等が直接手の触れないよう、鍵をかけた陳列設備内、または情報を提供するための設備から1.2m以内に陳列情報を提供するための設備から7メートル以内に陳列
禁忌の確認と相談を勧める旨の注意喚起定めなし購入者が確実に認識できるようにする措置が必要

販売に従事できる者に登録販売者が加わる

第一類医薬品は薬剤師が、第二類医薬品と第三類医薬品は薬剤師または登録販売者が販売できます。

指定第二類医薬品は第二類医薬品の一部にあたるため、区分が移れば登録販売者も販売に従事できます。登録販売者が勤務していれば、薬剤師が対応できない時間帯の販売も可能です。

情報提供や販売記録は努力義務になるが相談応需は義務のまま

第一類医薬品の販売では、書面を用いた情報提供が薬機法第36条の10で義務とされています※1。年齢や他の薬剤の使用状況などを、あらかじめ確認することも義務です。

用法・用量、使用上の注意、併用を避けるべき医薬品などは、購入する人の状況に応じて個別に伝えます。理解したかどうかと質問の有無を確かめ、必要に応じて受診を勧める必要があります。

また第一類医薬品は、販売時に品名、数量、販売日時、販売等を行った薬剤師の氏名、購入者が情報提供等の内容を理解した旨の確認について販売記録を作成し、2年間保存する必要があります。

第二類医薬品では、情報提供と事前の確認、販売記録がいずれも努力義務です。購入者から相談があった場合の情報提供は、区分にかかわらず義務です。

店側から必ず伝える義務は外れますが、尋ねられたときに答える義務は残ります。

売り場は陳列の場所と掲示の両方が変わる

第一類医薬品は、購入者等が直接手の触れないよう、鍵をかけた陳列設備内、または情報を提供するための設備から1.2m以内に陳列する必要があります※2。一方、指定第二類医薬品は、情報を提供するための設備から7メートル以内の範囲に陳列します。

指定第二類医薬品には、禁忌の確認と専門家への相談を勧める旨を、購入しようとする人が確実に認識できるようにする措置も求められます。

指定第二類はネット通販で扱うサイトが多い

令和6年度の医薬品販売制度実態把握調査では、一般用医薬品を販売する400サイトのうち、第一類医薬品を扱うのは19.3%の77サイトでした※3。指定第二類医薬品を扱うのは74.0%の296サイトで、第一類医薬品の3倍以上にあたります。

区分が移れば、いま第一類医薬品を扱っていないサイトでも、ロキソプロフェンの内服薬を指定第二類医薬品として扱えるようになります。

※1 出典:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(2026年8月21日閲覧)
※2 出典:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」第218条の4、第15条の7、別表第一の二(2026年8月21日閲覧)
※3 出典:厚生労働省「令和6年度 医薬品販売制度実態把握調査 調査結果報告書」(2026年8月21日閲覧)

調査会がロキソニンの区分変更で示した4つの論点

審議に当たっての論点は、副作用の発現状況、患者背景、適正使用、仮に区分を変更する場合に考えられる対応の4つに整理されました※1。患者背景では、類薬のアスピリンやイブプロフェンと同じく、出産予定日12週以内の妊婦が禁忌である点が挙げられています。

この禁忌は、ロキソプロフェン、イブプロフェン、アスピリンに共通し、アセトアミノフェンにはありません※2。リスク区分の指定後に妊娠後期の妊婦がどの程度使用したかを踏まえ、安全性をどう評価するかが問われています。

判断材料は副作用63例と適正使用の調査結果

リスク区分の指定以降に報告された重篤な副作用は63例で、皮膚および皮下組織障害が最多です※2。多形紅斑7件、スティーブンス・ジョンソン症候群4件、中毒性表皮壊死融解症4件が含まれます。いずれもNSAIDsとして周知されたリスクプロファイルの範囲内と整理されました。

適正使用については、製造販売業者が2026年5月から6月の購入者355人に調査を行っています※3。用法用量に関する不適正使用率は、項目によって0.0%から5.9%でした。高かったのは、1回の服用錠数に関する5.9%と、連続して6日間以上服用した5.1%です。

求められる対応は販売者と製造販売業者に分かれる

論点の4つ目では、求められる対応が販売する側と製造販売業者に分けて示されました※1。専門家が薬剤師から薬剤師または登録販売者に変わり、情報提供が義務から努力義務になることを踏まえた整理です。

販売する側は、販売に従事する者と販売業者の2つです。販売に従事する者には登録販売者の研修と販売時の対応が、販売業者には販売に従事する者への対応と陳列・掲示が挙げられています。製造販売業者には、販売実態の把握と、製品や添付文書などに記載する注意喚起が示されています。

※1 出典:厚生労働省「資料2-3 審議に当たっての論点等について」(2026年8月21日閲覧)
※2 出典:厚生労働省「資料2-1 対象成分の概要等について」(2026年8月21日閲覧)
※3 出典:厚生労働省「資料2-2 製造販売業者提出資料」(2026年8月21日閲覧)

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2014年の指定第二類移行は部会で覆された

同じ成分について、12年前にも指定第二類医薬品への変更が検討されました。2014年8月27日、当時の薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会は、注意喚起を促すことを条件として指定第二類医薬品への変更を了承しています※1

ところが同じ年の11月14日の部会では、次の意見が多く出て、第一類のままとする結論になりました※1

  • 他の鎮痛剤に比べて出荷数が非常に多く、第一選択薬になっていると思われること
  • 家庭に常備され、ストックされている可能性があること
  • 常備された薬を妊娠後期の妊婦が服用することはあり得ること
  • これからスイッチされるOTC医薬品の「試金石」になるため、利便性だけを追求して移行すべきではないこと

今回も手続きは調査会の段階にあり、2014年と同じ位置にあります。部会の審議と告示を経て、はじめて区分が変わります。

※1 出典:厚生労働省「参考資料2-6 2014 年11 月14 日 平成26 年度第2回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会 議事録(抜粋)」(2026年8月21日閲覧)

指定第二類になっても確認すべき事項とは

区分が移った後は、購入者への確認が義務から努力義務に変わるため、いま第一類医薬品として確認している項目を整理しておくと、移行後も確認すべき項目を検討できます。

法令上の確認11項目が努力義務となる

第一類医薬品の販売では、あらかじめ11項目を確認することが義務です※1。年齢、性別、症状、妊娠の有無と妊娠週数、授乳の有無、他の薬剤や医薬品の使用状況、現にかかっている疾病、副作用などの既往が含まれます。

第二類医薬品では、同じ項目の確認が努力義務です。調査会に提出されたロキソニンSのチェックシートは、購入前に相談が必要な人を7項目、服用できない人にあたる人を次の6項目挙げています※2

  • 本剤または本剤の成分でアレルギー症状を起こしたことがある人
  • 本剤または他の解熱鎮痛薬、かぜ薬を服用してぜんそくを起こしたことがある人
  • 15歳未満の小児
  • 医療機関で胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、腎臓病、心臓病の治療を受けている人
  • 医師から赤血球数、血小板数、白血球数が少ないと指摘されている人
  • 出産予定日12週以内の妊婦

見落としが多いのは医療用医薬品との成分重複

薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業には、一般用のロキソニンとロキソプロフェン製剤に関する報告が、2019年以降で39件あります※3。最も多いのは、処方薬のロキソプロフェンと一般用のロキソニンが重複した例です。

患者が一般名と販売名の違いを認識していない例が多いとされています。ほかに、胃潰瘍や腎機能低下、喘息などの既往歴や現病歴への配慮不足、炭酸リチウムやグリメピリドといった併用注意薬との相互作用の見落とし、代理人が購入する際の情報不足も報告されました。

掲示の注意喚起は1割の店舗で行われていない

令和6年度の医薬品販売制度実態把握調査では、指定第二類医薬品を扱う1,562店舗を調査員が訪ねています※4。禁忌の確認と相談を勧める旨の注意喚起が行われていると認識できたのは、89.8%の1,403店舗でした。

1割強の店舗では、注意喚起が認識されていません。掲示を置く場所と、口頭での声かけを組み合わせるかどうかまで決めておきましょう。

※1 出典:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」第159条の15、第159条の16(2026年8月21日閲覧)
※2 出典:厚生労働省「参考資料2-3 チェックシート(ロキソニンS)」(2026年8月21日閲覧)
※3 出典:厚生労働省「資料2-2 製造販売業者提出資料」(2026年8月21日閲覧)
※4 出典:厚生労働省「令和6年度 医薬品販売制度実態把握調査 調査結果報告書」(2026年8月21日閲覧)

告示までに残る手続きと確認できる公表資料

残っているのは、パブリックコメントと医薬品等安全対策部会の審議、そして告示の改正です※1。2026年8月21日時点で、意見募集は始まっていません。

2014年の前例では、8月27日の調査会と11月14日の部会を経て、リスク区分の決定は翌年1月22日でした※2調査会から告示まで5か月弱かかっています。

議事録は、調査会の開催回のページに追って掲載される予定です※3。議事録が掲載されれば、審議でどのような条件が示されたかを記録で確認できます。

進み方が分かるのは、要望申出状況の「区分変更に関する検討状況」の欄です※4。同じ表には、ファモチジンとトラネキサム酸の検討状況も並びます。

※1 出典:厚生労働省「参考資料2-8 リスク区分変更検討手順」(2026年8月21日閲覧)
※2 出典:厚生労働省「資料2-1 対象成分の概要等について」(2026年8月21日閲覧)
※3 出典:厚生労働省「令和8年度第5回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 資料」(2026年8月21日閲覧)
※4 出典:厚生労働省「一般用医薬品のリスク区分変更に関する要望申出状況」(2026年8月21日閲覧)

ロキソニンの指定第二類移行でよくある質問

確認の要否、告示までの販売方法、妊婦への対応の3点にお答えします。

指定第二類になると薬剤師の確認は不要ですか

法令上は、購入者への確認と情報提供が義務から努力義務に変わります。相談があった場合の情報提供は、区分にかかわらず義務のままです。

確認する項目そのものは変わらないため、店として何を確認すべきかを決めておくと、登録販売者が販売する場面でも同じ手順を保てます。処方薬との成分重複は、お薬手帳や薬剤服用歴から確かめられます。

告示までの間に販売方法を変える必要はありますか

変える必要はありません。告示が改正されるまで、ロキソプロフェンを含む内服薬は第一類医薬品のままで、薬剤師による情報提供と確認が義務として続きます。

変更の有無は、調査会の開催回のページに掲載される議事録、要望申出状況の検討状況の欄、e-Govパブリック・コメントの3か所で確認できます。

妊婦への販売はこれまでと同じ対応でよいですか

出産予定日12週以内の妊婦が禁忌である点は、区分が移っても変わりません。同じ禁忌を持つイブプロフェンやアスピリンは、すでに指定第二類医薬品として販売されています。

変わるのは、確認・販売する人と、確認が義務か努力義務かです。妊娠の有無と妊娠週数は法令上の確認事項に含まれるため、尋ね方と記録の残し方を店で決めておきましょう。

ロキソニンの区分変更に落ち着いて対応するために

ロキソプロフェンのリスク区分変更はまだ審議途中です。

区分が指定第二類医薬品へ移ると、販売に従事できる者に登録販売者が加わり、情報提供と確認は努力義務になります。陳列できる場所が変わり、禁忌の確認と相談を勧める注意喚起も必要です。相談があったときの情報提供と、確認すべき項目は変わりません

今後の動きは、調査会の議事録、要望申出状況の検討状況の欄、e-Govパブリック・コメントで確認できます。告示が改正されるまでは、いまの手順を続けましょう。

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