プレアボイドとは?令和6年度の報告件数と様式別の対象事例を解説
2026.09.03

処方監査で相互作用に気づいて疑義照会をしたり、患者さんの訴えから副作用の初期症状を拾ったりする場面は、日々の業務で多々あるでしょう。
プレアボイドは、こうした薬剤師の関与で患者の不利益を回避できた成果です。
この記事では、プレアボイド報告の様式や、勤務先ごとの届け先、薬局の施設基準で問われる内容、評価される報告の書き方を整理します。疑義照会や電子処方箋の閲覧から気づいた事例も取り上げます。
目次
プレアボイドとは薬剤師が患者の不利益を防いだ成果
プレアボイドは、薬剤師が薬物治療に関与して患者の不利益を回避または軽減した成果です。ここでいう不利益とは、副作用、相互作用、治療効果不十分などを指します。
回避できた成果を全国から集めて共有する仕組みが、プレアボイド報告制度です。プレアボイドという言葉は、「PREvent and AVOID the adverse drug reactions」の略称として日本病院薬剤師会が作りました※1。
対象は副作用の回避と治療効果の確保
対象になるのは、副作用を早期に見つけて重篤化を防いだ事例です。加えて、相互作用や投与禁忌を発現前に見つけた事例、投与量を調節した事例、処方薬の追加を提案して治療の有効性を確保した事例も含まれます。
安全性を守った関与と、有効性を高めた関与の両方がプレアボイドです。有効性の確保に寄与した事例には、報告の様式でも独立した区分があります。
報告制度は平成11年に日本病院薬剤師会が開始
日本病院薬剤師会は、服薬指導や薬歴管理、薬物療法モニタリングを通じた薬学的患者ケアの推進を提唱してきました。平成11年からは、患者の安全管理に寄与した成果報告を集めています※1。
集まった報告は、薬剤師が患者に貢献した事実を示すデータとして活用されています。実際に、病院薬剤師の定員問題、薬学教育6年制、高齢者医療制度といった検討会に、薬剤師職能の説明資料として活用されてきました。
その結果、プレアボイドという言葉は診療報酬や薬学部教育の場でも使われるようになりました。プレアボイドが薬剤師の本質的業務であることは公的にも認知されてきた、と日本病院薬剤師会は説明しています※1。
「ヒヤリ・ハット事例」との違いは実際に誤りが起きたか
ヒヤリ・ハット事例は、誤りが起きたものの、患者に実施される前に発見されたか、実施されても影響がなかったか軽微な処置で済んだ事例です。実施されたが影響が不明だった事例も含まれます※2。
一方のプレアボイドは、誤りがあったかどうかを問いません。処方や調剤が適正であっても、薬剤師が薬学的に関与して患者の不利益を回避できていれば対象です。腎機能に応じた減量提案や、効果不十分への処方提案がその例です。
両方に該当する事例もあります。たとえば、処方の誤りに疑義照会で気づいて健康被害を防いだ場合です。どちらを選ぶかという関係ではなく、集める目的が異なる2つの仕組みです。
※1 出典:一般社団法人日本病院薬剤師会「プレアボイドとは」(2026年8月17日閲覧)
※2 出典:公益財団法人日本医療機能評価機構「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 事業要綱」(2026年8月17日閲覧)
プレアボイド報告の様式ごとの対象事例
プレアボイド報告は、内容に応じて3つの様式に分かれます※1。令和6年度は様式1として提出された2,750件のうち323件が、様式2または様式3に該当する内容でした※2。割合にすると11.7%にあたり、様式の選び分けには実際に迷いが生じています。
| 様式 | 対象となる事例 | 令和6年度の報告件数※2 |
| 様式1 副作用の重篤化回避 | 発現した副作用の重篤化を回避した事例 | 2,750件(約7.6%) |
| 様式2 副作用の未然回避 | 副作用の発現を未然に回避した事例 | 24,997件(約69.2%) |
| 様式3 薬物治療効果の向上 | 薬物療法の有効性の確保に寄与した事例 | 8,393件(約23.2%) |
様式1は副作用の重篤化を回避した事例
様式1にあたるのは、すでに発現した副作用に薬剤師が気づいた事例です。被疑薬の中止や減量、変更につなげて、重篤化や遷延化を防いだものが該当します。
判断の分かれ目は、介入した時点で症状や検査値の異常が現れていたかどうかです。異常が出る前に止めたのであれば、様式1ではなく様式2に該当します。
様式1の報告件数は3つの様式のなかで最も少なく、全体の1割に届きません。提出後の評価で詳しく解析されるのも、この様式に限られます。
様式2は副作用の発現を未然に回避した事例
様式2は、副作用が発現する前に薬剤師が気づいて回避した事例です。相互作用、投与禁忌、アレルギー歴、腎機能に応じた減量の必要性などが端緒です。
処方監査や患者からの聞き取りで日常的に生じる関与が、そのまま対象に入ります。3つの様式のなかで報告件数が最も多く、令和6年度は全体の約7割を占めました。
様式3は薬物治療効果の向上に寄与した事例
様式3は、薬剤の変更や用量の是正などによって薬物療法の有効性を確保し、患者の不利益を回避した事例です。副作用を防いだかどうかではなく、治療効果の側から見た関与を扱います。
平成28年4月から収集が始まった、3つの様式のなかで最も新しい区分です※1。様式3の報告は、令和6年度に前年度から806件増えました。
薬学的介入の内訳では、疾患の治療が52.8%と半数を超え、感染管理が13.7%で続きます。このほか疼痛管理が6.1%、周術期管理が4.2%、栄養管理が3.2%でした。介入の評価では、患者の状態が改善した報告が49.8%を占めています。
抗菌薬の選択への関与や、疼痛コントロールの提案も様式3の対象です。
※1 出典:一般社団法人日本病院薬剤師会「プレアボイドとは」(2026年8月17日閲覧)
※2 出典:一般社団法人日本病院薬剤師会「令和6年度プレアボイド報告の概要」(2026年8月17日閲覧)
令和6年度のプレアボイド報告件数の内訳
日本病院薬剤師会は、プレアボイド報告の集計を毎年度公表しています※1。
集計には報告全体の件数に加えて、薬剤師貢献度と副作用との関連性の確度がともに最も高いと評価された報告、すなわち優良事例に絞った解析が含まれます。
報告総数は36,140件で前年度から減少
令和6年度の報告総数は36,140件で、令和5年度の40,059件から減少しました※1。平成28年度に5万件を超えた後は、4万件前後で推移してきました。
都道府県別では岐阜県の4,079件が最も多く、東京都、大阪府、神奈川県、埼玉県が続きます。この5都府県だけで全体の約4割を占めました。
病床数に対する報告数では、順位が変わります。100床当たりでは岐阜県が21.5件、島根県が14.1件、香川県が6.9件、奈良県が5.4件、鳥取県が5.0件でした。
各都道府県の病院薬剤師会では、表彰制度の導入、会員へのフィードバック体制の構築、症例検討会の開催、県の病院薬剤師会誌への査読後の掲載といった取り組みが行われています。会員施設が100に満たない病院薬剤師会からも、多くの報告が寄せられました。
平成11年からの累積報告数は65万件超
制度が始まった平成11年からの累積報告数は655,652件です※1。
年度ごとの内訳も公表されています。様式の区分が始まった平成16年度以降で見ると、様式2の累積が53万件を超えて大部分を占めました。
優良事例の端緒は検査値が29.2%で最多
令和6年度の優良事例894件について、事例に気づいた端緒が集計されています※1。1件で複数の端緒を挙げた報告があるため、重複を含む集計です。
- 検査値 29.2%
- 初期症状指導による患者の訴え 16.6%
- 薬歴 16.6%
- 初期症状指導以外の患者の訴え 16.1%
- フィジカルアセスメント 14.1%
患者の訴えは2つを合わせると約33%になり、検査値に次ぐ端緒です。検査値が最上位を占める状態は、平成15年度以降ずっと続いています。
数値化された基準範囲と異常値が明確な検査値は重症度を医師と共有しやすい、と考察しています※1。発見者は薬剤師単独が82.0%を占めました。
薬剤師が実施した薬学的ケアの分類でも、傾向は同じです。最も多いのは検査結果を見て副作用を疑った371件で、患者症状から疑った200件、患者や家族から副作用症状の訴えを受けた158件が続きました。
※1 出典:一般社団法人日本病院薬剤師会「令和6年度プレアボイド報告の概要」(2026年8月17日閲覧)
病院薬剤師が日本病院薬剤師会へ報告する方法
プレアボイド報告制度を独自事業として運営しているのは、日本病院薬剤師会です※1。同会の会員であることが参加の前提で、報告の入力から集計、公表までが同会のなかで完結します。
同会の事業に含まれるのは、医療安全および医薬品の適正使用に関する事項です。プレアボイド報告制度は、この事業の一環として運営されています。
報告できるのは会員の薬剤師に限られる
定款上の正会員は、病院、診療所、介護保険施設に籍を有する薬剤師などです※2。それ以外の薬剤師免許を持つ人には、特別会員の区分が置かれています。
正会員と特別会員は、都道府県の病院薬剤師会の会員であることが前提です。入会するときは、同会の会長へ届け出ます。
自分が報告できる立場かどうかは、勤務先の施設種別と会員区分から確かめましょう。
報告は会員ページのオンラインシステムで行う
報告の入口は、日本病院薬剤師会のホームページにある会員ページです。オンライン報告システムから、様式1から様式3のうち該当するものを選んで入力します。
報告システムは2024年10月から様式ごとに順次切り替わり、2025年4月からは新しいシステムでの報告が始まりました※3。記入漏れと入力の負担を減らす設計が採られており、年齢などが不明のまま提出される報告は減る見込みです。
報告内容は匿名化して集計結果が公表される
報告制度の管理と運営は日本病院薬剤師会の医薬情報委員会が、報告の集計実務と内容の評価はプレアボイド報告評価小委員会が担っています。
評価から分類、公表、会員へのフィードバックまでを一連の業務として担います。公表される内容は、年度ごとの報告件数、都道府県別の内訳、優良事例の解析結果です。
公開にあたって、報告者個人の情報と報告施設の情報は公開内容から切り離され、匿名化されます※3。個別の事例が施設名つきで出ることはありません。この点は、院内で共有しておきましょう。
※1 出典:一般社団法人日本病院薬剤師会「プレアボイドFAQ」(2026年8月17日閲覧)
※2 出典:一般社団法人日本病院薬剤師会「一般社団法人日本病院薬剤師会定款」(2026年8月17日閲覧)
※3 出典:一般社団法人日本病院薬剤師会「令和6年度プレアボイド報告の概要」(2026年8月17日閲覧)
薬局のプレアボイド事例の把握・収集の要件
保険薬局におけるプレアボイド事例の把握・収集は、地域支援・医薬品供給対応体制加算の施設基準の1つです。薬局機能情報提供制度において「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」を「有」とし、直近1年以内に都道府県へ報告していることが求められます※1。
報告先も判断の基準も、病院薬剤師の報告制度とは異なります。
地域支援・医薬品供給対応体制加算2から5が対象
地域支援・医薬品供給対応体制加算のうち、医療安全に関する取組の1つとしてプレアボイド事例の把握・収集が置かれているのは、加算2から5です※1。
この加算は、令和8年度診療報酬改定で地域支援体制加算から再編されたものです。改定内容は令和8年6月1日から適用されています。
加算1の施設基準は医薬品の安定供給に関する体制などで構成され、プレアボイドの取組は含まれていません。自局がどの区分を届け出るかで、確認すべき項目が変わります。
医療安全に関する取組は、3つがそろって1つの要件です。医薬品医療機器情報配信サービスへの登録による最新の医薬品情報収集と保険薬剤師への周知、プレアボイド事例の把握・収集、副作用報告に係る手順書の作成と報告体制の実施が必要です。
プレアボイドだけを整えても、医療安全に関する取組の要件は満たせません。届出前には3つをまとめて点検しておきましょう。
薬局機能情報提供制度で有として都道府県へ報告
「有」とできるのは、薬局における副作用等の健康被害の回避症例を収集する取組に参加している場合です※2。その情報を医療機関等の関係者と連携して共有し、事例を提供していることが条件です。
プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無は、薬局機能情報提供制度のなかで地域医療連携体制に位置づけられています。
届出の前に、自局が直近1年以内に「有」で報告できているかを確かめておきましょう。過去の報告内容の確認先は、都道府県の薬務担当課です。
「無」で報告していた場合、その報告をもって施設基準を満たすことはできません。次回の報告に向けて、事例を収集して共有する取組を先に始めます。
ヒヤリ・ハット事業では前年1年間の報告が必要
該当する取組の1つが、公益財団法人日本医療機能評価機構が運営する薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業です。
この事業で「有」とする場合、参加薬局として登録したうえで、報告期日の前年1年間に事例を報告していることが必要です。登録だけでは要件を満たしません。
対象になるのは、疑義照会により処方が変更された結果、患者の健康被害や医師の意図した薬効が得られないことを防止するに至った事例です。日々の疑義照会のうち、処方変更につながって不利益を防げたものが該当します。
参加登録は、申請書に必要事項を記載して事業部へ郵送する手続きです※3。登録が済むと、報告に必要な利用者IDとパスワードが通知されます。報告は、事例を認識した日から原則1か月以内に、専用の報告画面から行います。
前年1年間の報告実績を、あとからさかのぼって作ることはできません。加算の届出を予定しているのであれば、登録と報告を先に始めておく必要があります。
※1 出典:厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(2026年8月17日閲覧)
※2 出典:厚生労働省「薬局機能情報提供制度の考え方及び報告に当たっての留意点について」(2026年8月17日閲覧)
※3 出典:公益財団法人日本医療機能評価機構「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 事業要綱」(2026年8月17日閲覧)
プレアボイド報告の評価で求められる記載項目
日本病院薬剤師会は、提出された様式1の報告について内容を評価しています。何が評価され、どこが不足しやすいのかを踏まえると、書くべき項目が定まります。
評価は薬剤師貢献度と確度の3段階で行う
評価の軸は、薬剤師貢献度と副作用との関連性の確度の2つです※1。それぞれ3段階で評価し、どちらも最も高い評価を受けた報告を優良事例と定義しています。
令和6年度は、様式1の2,750件のうち894件、32.5%が優良事例に該当しました。前年度は36.8%で、同程度の水準が続いています。
優良事例は、詳細な解析の対象です。令和6年度の優良事例では、患者の約7割が60歳以上でした。
薬剤との因果関係の評価では、「多分関連あり」が56.7%、「明らかに関連あり」が35.6%を占めます。根拠の水準が高い報告が9割を超えています。
一方で、評価不能と分類された報告も23件ありました。書いた本人が介入していても、報告書から判断できなければ評価には結びつきません。
優良事例にならない理由は記載不足が中心
優良事例に至らない主な理由は、報告内容の記載不足です※1。挙げられているのは次の3点です。
- 介入後の転帰、つまり被疑薬の中止や減量によって副作用が改善したかが書かれていない
- 薬剤師の関与が読み取りにくい
- 被疑薬を中止したことによる影響、つまり本来期待していた効果が失われたかどうかの評価が書かれていない
いずれも、報告書だけを読む人には伝わりません。
介入の記載で終えると、3点とも抜け落ちます。副作用が治まったか、薬剤師のどの判断が介入につながったか、中止した薬の効果をどう補ったかまで書きます。
惜しい書き方は「検査値の異常を確認し、医師へ被疑薬の中止を提案した」で終わる形です。伝わる書き方は、ここに「中止後の検査値がどう推移したか」「代わりの薬で原疾患の治療をどう継続したか」まで加えます。
記載する項目は患者背景から中止後の評価までの6つ
日本病院薬剤師会は、様式1の報告に必要な項目を整理した手引きを公開しています※2。フィジカルアセスメントを端緒とする報告を対象に作られた文書で、記載する項目は次の6項目です。
- 患者背景
- 問題点として、症状の内容、重症度、経過
- 介入内容と、そう判断した根拠
- 結果として、介入後の経過(転帰)
- 副作用の確度の評価
- 被疑薬の中止等による、本来薬物治療を必要としていた症状の評価
血圧や心電図など、生体検査情報の異常が端緒だった場合は、自覚症状の有無まで書き添えましょう。自覚症状がないことを確認した場合も、確認した事実そのものを記載します。
6項目のうち、副作用の確度の評価と被疑薬中止後の影響の評価は、その薬で何が起こりうるかを知っているほど、具体的に書き分けられます。報告の質を上げたいときは、まず薬の知識を更新しておきましょう。
※1 出典:一般社団法人日本病院薬剤師会「令和6年度プレアボイド報告の概要」(2026年8月17日閲覧)
※2 出典:一般社団法人日本病院薬剤師会「病院薬剤師におけるフィジカルアセスメントを端緒とするプレアボイド報告の手引き」(2026年8月17日閲覧)
プレアボイドに関してよくある質問
プレアボイドの報告範囲と、他の報告制度との使い分けについて、3点にお答えします。
疑義照会で処方が変更された事例はプレアボイドとして報告できますか
疑義照会が端緒の事例も対象です。厚生労働省の通知は、疑義照会による処方変更で患者の健康被害や薬効の不足を防げた事例を、薬局が収集する回避症例の例に挙げています※1。
照会の内容だけでなく、処方が変わった後に患者がどうなったかまで書き留めておきましょう。
電子処方箋で閲覧した情報から回避した事例も対象になりますか
電子処方箋の閲覧が端緒でも対象です。厚生労働省は、電子処方箋等の活用によりプレアボイドにつながった薬局の事例を公表しています※2。
過去の薬剤情報から併用禁忌や重複投薬を回避した事例、特定健診情報を踏まえて投薬量を調整した事例、過去の禁煙治療歴から適切な治療につなげた事例などが挙げられています。
端緒が電子処方箋の閲覧であっても、薬学的に判断して患者の不利益を回避していればプレアボイドです。閲覧した情報のどこに着目したのかを、記録に残しておきましょう。
プレアボイド報告と厚生労働大臣への副作用報告はどう使い分けますか
対象にしている出来事が異なります。医薬品医療機器等法は、薬局開設者や薬剤師などの医薬関係者に副作用報告を義務づけています※3。医薬品の副作用によるものと疑われる疾病、障害、死亡の発生などを知り、保健衛生上の危害の発生や拡大を防止するため必要があると認めるときが対象です。
一方のプレアボイド報告は、薬剤師の関与で回避できた成果を集める事業です。発生した有害事象を行政へ届ける制度と、防げた事例を職能団体などが集める事業は並立します。
実際に有害事象が生じた場合は、法に基づく報告を先に判断しましょう。そのうえで、重篤化を防げた部分があればプレアボイドの対象です。
※1 出典:厚生労働省「薬局機能情報提供制度の考え方及び報告に当たっての留意点について」(2026年8月17日閲覧)
※2 出典:厚生労働省「電子処方箋等の活用による薬局でのプレアボイド事例」(2026年8月17日閲覧)
※3 出典:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(2026年8月17日閲覧)
プレアボイドの報告に迷わず取りかかるために
プレアボイドは、薬剤師の関与で患者の不利益を回避できた成果を指します。副作用が発現していたか、発現前に防いだかで、様式1と様式2に分かれます。治療効果の側から関与した事例が、様式3です。
報告先は勤務先によって変わります。病院の薬剤師は日本病院薬剤師会の会員として同会へ報告し、保険薬局は薬局機能情報提供制度を通じて都道府県へ報告します。地域支援・医薬品供給対応体制加算2から5を届け出る薬局では、この報告が施設基準の一部です。
報告を書くときは、患者背景、症状の内容と経過、介入内容と根拠、介入後の転帰、副作用の確度、被疑薬中止による影響の6項目をそろえましょう。
まずは直近で防げた事例を思い出し、この6項目を書けるかどうか確かめてみてください。件数や要件は年度ごとに更新されるため、最新の公表資料でご確認ください。