リフィル処方箋とは?薬局対応の流れと調剤できる期限を薬剤師向けに解説
2026.08.14

リフィル処方箋は、通常の処方箋とは違う確認が必要になります。次回はいつまでに来てもらえばよいのか、処方箋のどの欄へ何を記載するのか。いずれも受付のその場で判断する項目です。
リフィル処方箋の取り扱いで押さえる点は、総使用回数、調剤できる期限、対象外の医薬品、記載と保管、算定の5つに整理できます。
この記事では、5つそれぞれを現行の通知と告示に沿って確認します。あわせて、患者から相談を受けたときと処方医へ提案したいときの伝え方も取り上げます。受付から最終回の調剤までを、処方箋を手にした順に判断できる状態を目指しました。
目次
リフィル処方箋とは再診なしで反復利用できる処方箋
リフィル処方箋は、症状が安定している患者に対して医師が交付する処方箋です。医師と薬剤師の適切な連携のもとで、一定期間内に反復利用できます。患者は2回目以降、受診せずに同じ処方箋を薬局へ持参して調剤を受けられます。
令和4年度の診療報酬改定で設けられた仕組みで、根拠となる規定は保険医療機関及び保険医療養担当規則(療担規則)に置かれています。
対象は症状が安定している患者
リフィルによる処方が可能かどうかを判断するのは処方医です。1回当たりの投薬期間と総投薬期間も、患者の病状等を踏まえて処方医が個別に医学的に適切と判断した期間になります。
処方箋に記載された回数と投与日数が、薬局での調剤の前提です。
使用回数の上限は3回
療担規則は、リフィル処方箋を「保険医が診療に基づき、別に厚生労働大臣が定める医薬品以外の医薬品を処方する場合に限り、複数回(三回までに限る。)の使用を認めた処方箋」と定義しています※1。総使用回数の上限が3回とされるのは、この規定によるものです。
実際の回数は、3回の範囲内で処方医が決めます。総使用回数が2回のリフィル処方箋もあり、その場合は2回目が最終回になります。
処方箋のリフィル可欄と総使用回数の記載
受け付けた処方箋がリフィル処方箋かどうかは、処方欄の「リフィル可」欄で判別します。この欄に「✓」があれば、リフィル処方箋として取り扱う対象です※2。
「リフィル可」欄には回数欄が併記されており、処方医が上限3回の範囲で総使用回数を記載しています。1回の使用による投与日数は、処方欄で確認できます。
外用薬をリフィル処方する場合も、1回当たりの使用量や1日当たりの使用回数とは別に投与日数が必ず記入されます※3。次回調剤予定日を数える起点になるのがこの日数です。
※1 出典:e-Gov法令検索「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(2026年8月12日閲覧)
※2 出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添3 調剤報酬点数表に関する事項」(2026年8月12日閲覧)
※3 出典:厚生労働省「診療報酬請求書等の記載要領等について等の一部改正について」(2026年8月12日閲覧)
リフィル処方箋と長期処方・分割調剤の違い
リフィル処方箋、長期処方、分割調剤は、いずれも受診や調剤の間隔に関わる仕組みです。ただし指示の性質も薬局での扱いも異なります。
受け付けた処方箋がどれに当たるかで、調剤できる期限と調剤報酬の算定方法が変わります。
| リフィル処方箋 | 長期処方 | 分割調剤 | |
| 薬の受け取り方 | 1枚の処方箋を最大3回まで反復利用する | 1回の調剤で処方日数分をまとめて受け取る | 1回の処方を複数回に分けて調剤する |
| 処方箋の記載 | 「リフィル可」欄に「✓」と総使用回数 | 通常の処方箋(投与日数の記載) | 医師の分割指示、または長期保存が困難などの理由による |
| 調剤報酬の算定 | 調剤ごとに処方箋受付1回として算定※1 | 受付1回として算定 | 医師の分割指示による場合は所定点数を分割回数で除して算定※3 |
「長期処方」と「リフィル処方箋」の違いと使い分けの考え方
長期処方は、1枚の処方箋で90日分などの投与日数をまとめて交付し、患者は1回の調剤で全量を受け取ります。次の受診まで間隔が空く点は、リフィル処方箋と共通です。
異なるのは、薬を受け取るたびに薬剤師が服薬状況を確認する機会があるかどうかです。リフィル処方箋では、2回目・3回目の調剤の前に、残薬や体調の変化を確認したうえで調剤の可否を判断します。
投与日数の考え方も、長期処方とは異なります。リフィル処方箋では、1回の使用による投薬量と複数回の使用による合計の投薬量の両方が、予見することができる必要期間に従うものとされています※2。
「分割調剤」との違いと処方箋の取り扱い
分割調剤は、医師の分割指示に係る処方箋または投与日数が長期間にわたる処方箋について行います。処方薬の長期保存が困難であるなどの理由で、分割して調剤する必要がある場合が対象です。
リフィル処方箋と分割調剤では算定方法も異なります。医師の分割指示による分割調剤では、調剤基本料や薬剤調製料、薬学管理料(服薬情報等提供料を除く)の所定点数を分割回数で除した点数を1分割調剤につき算定します。
※1 出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添3 調剤報酬点数表に関する事項」(2026年8月12日閲覧)
※2 出典:e-Gov法令検索「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(2026年8月12日閲覧)
※3 出典:厚生労働省「調剤点数表(令和8年度診療報酬改定)」(2026年8月12日閲覧)
リフィル処方箋で処方できない医薬品
リフィル処方箋では、投与量に限度が定められている医薬品と貼付剤については調剤を行うことができません※1。受付時に、これらが処方内容へ含まれていないかを確認しましょう。
投与量に限度が定められている医薬品
厚生労働大臣が定める内服薬・外用薬には、1回14日分、30日分または90日分という投薬量の限度が設けられています。この限度がある医薬品は、リフィル処方の対象外です。
告示は、この限度を次のように区分しています※2。
- 14日分が限度:麻薬(30日分の区分に掲げるものを除く)、向精神薬(30日分・90日分の区分に掲げるものを除く)、薬価基準への収載の日の属する月の翌月の初日から起算して1年を経過していない新医薬品(一部の品目を除く)
- 30日分が限度:アルプラゾラム、エチゾラム、ゾルピデム酒石酸塩、トリアゾラム、ブロチゾラム、オキシコドン塩酸塩、モルヒネ塩酸塩などを含有する内服薬。フェンタニル、フェンタニルクエン酸塩、モルヒネ塩酸塩を含有する外用薬
- 90日分が限度:ジアゼパム、ニトラゼパム、フェノバルビタール、クロナゼパム、クロバザムを含有する内服薬、およびフェニトイン・フェノバルビタール配合剤
新医薬品は、この起算日から1年を経過すると投薬期間の上限が外れます。受け付けた時点によって扱いが変わるため、収載の新しい薬剤は個別の確認が必要です。
貼付剤のうち対象外となる範囲
貼付剤もリフィル処方箋による調剤ができません。ここでいう貼付剤とは、鎮痛・消炎に係る効能及び効果を有するものであって、麻薬もしくは向精神薬であるもの、または専ら皮膚疾患に用いるものを除いたものを指します。
鎮痛・消炎を目的とする湿布薬は、この定義に当てはまります。麻薬や向精神薬である貼付剤は、先に挙げた投与量に限度が定められている医薬品として対象外になります。
対象外の医薬品が混在する処方箋の扱い
1枚のリフィル処方箋には、総使用回数と1回の投与日数が同じ医薬品だけが載ります。リフィル処方を行う医薬品と行わない医薬品、投与日数や使用回数の上限が異なる医薬品は、それぞれ処方箋を分けて交付するためです※3。
裏を返せば、対象外の医薬品が混ざった処方箋や薬剤ごとに回数が違う処方箋は、記載どおりに調剤してよいか判断できません。受け付けたら、調剤を進める前に処方医へ確認しましょう。
※1 出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添3 調剤報酬点数表に関する事項」(2026年8月12日閲覧)
※2 出典:厚生労働省「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」(2026年8月12日閲覧)
※3 出典:厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その1)(令和4年3月31日事務連絡)」(2026年8月12日閲覧)
リフィル処方箋を調剤できる期限の数え方
リフィル処方箋を調剤できる期限は、1回目と2回目以降で数え方が異なります。1回目は処方箋の使用期間まで、2回目以降は次回調剤予定日の前後7日以内です※1。
| 調剤の回 | 調剤できる期間 |
| 1回目 | 処方箋の使用期間に記載された日まで(記載がなければ交付の日を含めて4日以内) |
| 2回目以降 | 次回調剤予定日の前後7日以内(次回調剤予定日は前回の調剤日に投薬期間を加えた日) |
1回目は使用期間に記載された日まで
1回目の調剤を行える期間は、処方箋の使用期間に記載されている日までです。
処方箋の使用期間は、療担規則で交付の日を含めて4日以内と定められています。長期の旅行等の特殊な事情があると認められる場合は、この限りではありません※2。1回目に関しては、通常の処方箋と同じ考え方です。
2回目以降は次回調剤予定日の前後7日以内
2回目以降は、前回の調剤日を起点に数えます。当該調剤に係る投薬期間を経過する日、つまり実際に投薬が終了する日が次回調剤予定日となり、その前後7日以内が調剤できる期間です。
前後7日は、次回調剤予定日を含まない前後7日間として数えます。次回調剤予定日が6月13日であれば、6月6日から6月20日までの間に調剤できます※3。
調剤できる期間の幅は15日間ありますが、調剤した薬剤を飲み終える前に次の調剤を受けられるよう、次回調剤予定日までの来局が望ましい旨を患者へ伝えましょう。予定日を過ぎてからでも間に合う点だけが伝わると、服薬が途切れる日が生じます。
期間を外れて来局した場合は調剤できない
次回調剤予定日の前後7日以外の日にリフィル処方箋を受け付けた場合、そのリフィル処方箋による調剤はできません。
調剤可能な日より前に患者が来局したときは、再来局を求めるなどの対応をとります。来局が早い背景に残薬が関係している場合もあるため、日付を伝えるだけでなく服薬状況もあわせて確認しておくと、次回以降の見通しを立てやすくなります。
期間を過ぎてから来局した場合も、その回の調剤は行えません。以降の取り扱いに迷う場合は、処方医へ状況を伝えたうえで対応を決めましょう。
※1 出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添3 調剤報酬点数表に関する事項」(2026年8月12日閲覧)
※2 出典:e-Gov法令検索「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(2026年8月12日閲覧)
※3 出典:厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その1)(令和4年3月31日事務連絡)」(2026年8月12日閲覧)
リフィル処方箋を受け付けた薬局が行う手続きの流れ
リフィル処方箋は、当該薬局で調剤済みとならない回と、総使用回数の調剤が終わった回とで扱いが変わります。前者は患者へ返却し、後者は調剤済処方箋として薬局が保管します※1。
- 「リフィル可」欄の「✓」と総使用回数、1回の使用による投与日数を確認する
- 患者の服薬状況等を確認し、調剤の可否を判断する
- 「調剤実施回数」欄へ、回数に応じたチェックと調剤日を記載する
- 最終回でなければ、次回調剤予定日をあわせて記載する
- 保険薬局の名称と保険薬剤師の氏名を、余白または裏面へ記載する
- 調剤録等を作成し、リフィル処方箋を患者へ返却する
- 必要な事項を記入したリフィル処方箋の写しを、調剤録とともに保管する
- 総使用回数の調剤が終わったら、調剤済処方箋として保管する
調剤日と次回調剤予定日を記載して返却
調剤日と次回調剤予定日を記載するのは、1回目の調剤と、総使用回数が3回の場合の2回目の調剤です。記載欄は処方箋の「調剤実施回数」欄で、調剤回数に応じたチェック欄へ「✓」または「×」を付けたうえで、両方の日付を記入します※2。
調剤を実施した保険薬局の名称と保険薬剤師の氏名を余白または裏面へ記載し、調剤録等を作成したのち、リフィル処方箋を患者へ返却します。
写しの保管と調剤済処方箋への切り替え
当該薬局で調剤済みとならない回は、薬剤師法第26条に規定する事項と次回調剤予定日等の必要な事項を記入したうえで、リフィル処方箋の写しを調剤録とともに保管します。この写しの保管期間は、調剤の終了日から3年間です※3。
総使用回数の調剤が終わった時点で、リフィル処方箋は患者へ返却せず、調剤済処方箋として薬局が保管します。返却する回と保管する回が切り替わるタイミングは、処方箋に記載された総使用回数で決まります。
一般名処方のリフィル処方箋については、2回目以降も一般名処方されたものとして取り扱って差し支えないものの、初回来局時に調剤した薬剤と同一のものを調剤することが望ましいとされています※3。
※1 出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添3 調剤報酬点数表に関する事項」(2026年8月12日閲覧)
※2 出典:厚生労働省「診療報酬請求書等の記載要領等について等の一部改正について」(2026年8月12日閲覧)
※3 出典:厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その1)(令和4年3月31日事務連絡)」(2026年8月12日閲覧)
リフィル処方箋の調剤時に行う継続的な薬学的管理
調剤できる期間内であっても、実際に調剤するかどうかは薬剤師が服薬状況等を確認したうえで判断します。調剤の間隔が空くぶん、次の調剤までをつなぐ確認と連携が通知で定められています。
調剤のたびに確認する服薬状況と残薬
リフィル処方箋により調剤を行うにあたっては、患者の服薬状況等を確認します。2回目以降の調剤時に処方医へ情報提供する際に含める項目として、次の内容が示されています。
- 残薬の有無
- 残薬が生じている場合はその量および理由
- 副作用の有無
- 副作用が生じている場合はその原因の可能性がある薬剤の推定
これらは調剤の可否を判断する際に確認する内容とも重なります。残薬は有無だけでなく量と理由まで踏み込むと、次回調剤予定日と実際の服用終了日のずれにも気づけます。
調剤を行わず受診勧奨すると判断する場面
服薬状況等を確認した結果、リフィル処方箋により調剤を行うことが不適切と判断した場合は、調剤を行わずに受診勧奨を行います※1。あわせて、処方医への情報提供も必要です。
同一薬局での継続と次回来局予定の確認
継続的な薬学的管理指導のため、リフィル処方箋の交付を受けた患者に対して、同一の保険薬局で調剤を受けるべきである旨を説明します。
次回の調剤を受ける予定も確認します。来局の希望があるにもかかわらず予定される時期に患者が来局しない場合は、電話等での状況確認が必要です。
患者から次回は他の保険薬局で調剤を受けると申し出があった場合は、調剤の状況とともに必要な情報を当該薬局へ提供するか、その情報を記録したものを患者へ渡します。
処方医への情報提供が必要になる場面
通知は、処方医への情報提供が求められる場面を3つ示しています※1。
- 調剤を行わず受診勧奨した場合
- 調剤した内容や患者の服薬状況等について、情報提供が必要と判断した場合
- 患者と連絡がつかない、患者が来局しないなどの場合
報告の運用は薬局によって分かれています。令和7年度に実施された調査では、2回目・3回目の調剤時に患者の来局をかかりつけ医へ報告しているかを尋ねています。「報告していない」が48.7%、「副作用の発現等、必要に応じて報告している」が25.5%でした※2。
どの場面で情報提供を行うかは、店舗内で決めておきましょう。担当する薬剤師によって対応が変わることを防げます。
情報提供の文書の書き方は、トレーシングレポートの記事もぜひご覧ください。
※1 出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添3 調剤報酬点数表に関する事項」(2026年8月12日閲覧)
※2 出典:中央社会保険医療協議会 診療報酬改定結果検証部会「長期処方やリフィル処方箋の実施状況調査報告書(案)(令和7年度調査)」(2026年8月12日閲覧)
リフィル処方箋の調剤報酬上の取り扱い
リフィル処方箋による調剤でも、所定の要件を満たせば調剤技術料と薬学管理料を算定できます。令和8年6月1日から適用されている調剤報酬点数表では、リフィル処方箋に固有の算定ルールは変わっていない一方、調剤管理料の区分は見直されました。
調剤ごとに処方箋受付1回として扱う
リフィル処方箋による調剤を行うごとに、処方箋受付回数1回として取り扱います※1。1枚の処方箋で3回調剤すれば、受付3回として算定します。
同一患者から同一日に複数の処方箋を受け付けた場合の扱いには、リフィル処方箋も含まれます。同一保険医療機関の同一医師が交付した処方箋、または同一の保険医療機関で一連の診療行為に基づいて交付された処方箋は、一括して受付1回と数えます。
リフィル調剤後の服薬情報等提供料2のロ
リフィル処方箋に基づく調剤後、処方医に対して患者の服薬状況等を文書等により提供した場合は、服薬情報等提供料2のロとして20点を算定します※2。
服薬情報等提供料2のロは、月1回に限り算定します。また、在宅患者訪問薬剤管理指導料または訪問薬剤管理医師同時指導料を算定している患者については、服薬情報等提供料を算定しません。
2回目以降の調剤時に情報提供を行う場合は、残薬の有無とその量・理由、副作用の有無と原因の可能性がある薬剤の推定を含めます。
1回の投与日数で変わる調剤管理料の区分
令和8年度の診療報酬改定で、内服薬の調剤管理料が長期処方(28日分以上)とそれ以外(27日分以下)の2区分に見直されました※3。長期処方の場合が60点、それ以外の場合が10点です※2。
調剤管理料は処方箋受付1回につき算定します。区分は内服薬の投与日数で分かれるため、1回の使用による投与日数が短いリフィル処方箋では、長期処方の区分に当たらない可能性が出てきます。
調剤管理料の見直し全体については、調剤管理料の令和8年度改定の記事もぜひご覧ください。
リフィル処方箋のように枠組みが据え置かれる項目もあれば、調剤管理料のように区分が変わる項目もあります。改定のたびに算定要件を確認しておくと、窓口での判断に迷いません。改定内容の学習には、ためとこもぜひご活用ください。
※1 出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添3 調剤報酬点数表に関する事項」(2026年8月12日閲覧)
※2 出典:厚生労働省「調剤点数表(令和8年度診療報酬改定)」(2026年8月12日閲覧)
※3 出典:厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」(2026年8月12日閲覧)
薬局がリフィル処方箋の活用を後押しする方法
リフィル処方箋の発行は、まだ限られています。令和6年11月診療分のNDBデータでは、処方箋料(リフィル)の算定回数は49,314回で、全処方箋に占める割合は0.07%でした※1。
令和7年度に実施された調査では、回答した保険薬局455施設のうち、受付経験がある薬局は318施設でした。
薬局が課題に挙げた上位は、患者による処方箋の紛失への対応が60.4%、2回目以降に期限内へ来局することへの対応が43.5%、受付する機会が少なく対応に不慣れであることが38.0%です。
患者に伝えるメリットとデメリット
患者やその家族からリフィル処方箋について質問を受けた場合は、その意義や使用方法等を丁寧に説明します※3。
患者にとってのメリットは、2回目以降に診察を受けずに薬を受け取れる点です。通院の回数と診察の待ち時間が減ります。
デメリットは、診察の間隔が空くことで、医師が症状の変化を確認する機会が減る点です。これを補うのが、調剤のたびに行う服薬状況の確認と、必要な場合の受診勧奨です。
この確認が制度の前提になっている点まで伝えると、患者が判断しやすくなります。
同じNDBデータの調査では、患者から最も多く受けた相談の内容は「リフィル処方箋を使用したい」が48.8%、「リフィル処方がどのような仕組みになっているのかを知りたい」が38.1%でした。
患者への説明は、総使用回数、次回の調剤ができる期限、同一の薬局で受けることの推奨の3つに絞ると伝わりやすくなります。
紛失と来局の遅れを防ぐ案内の仕方
紙のリフィル処方箋では、次回の調剤まで患者が手元で保管することになります※2。次回調剤予定日を処方箋へ記載したうえで口頭でも伝えると、保管の必要性と来局の時期が同時に伝わります。
電子処方箋を利用している場合、処方箋の原本はデータです。調剤のたびに患者が紙を持参することも、薬剤師が返却することもなくなります。次回の調剤予定日は、患者がマイナポータルからいつでも確認できます。
電子処方箋のリフィル処方箋への対応状況は、施設ごとに異なります。自店と近隣の医療機関の対応状況は、一度確認しておきましょう。そのまま患者への案内に使えます。
処方医にリフィル処方を提案するときの視点
同じ調査では、リフィル処方箋の発行に係る今後の見通しについて、発行実績がある病院の62.7%と診療所の60.3%が「患者希望があれば検討する」と回答しています。
薬局から処方医へリフィル処方箋の発行を提案する場合、患者の希望を確認したうえで服薬状況を添えて伝えると、提案しやすくなります。
薬剤師がリフィル処方に適すると考える状況は、遠距離の医療機関を受診している患者が43.4%、待ち時間の長い医療機関から処方がある場合が41.2%でした。通院の負担が具体的に見えている患者から声をかけると、提案の理由を示しやすくなります。
※1 出典:中央社会保険医療協議会 診療報酬改定結果検証部会「長期処方やリフィル処方箋の実施状況調査報告書(案)(令和7年度調査)」(2026年8月12日閲覧)
※2 出典:厚生労働省「使ってみよう電子処方せん リフィル処方せん編」(2026年8月12日閲覧)
※3 出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添3 調剤報酬点数表に関する事項」(2026年8月12日閲覧)
リフィル処方箋のよくある質問
リフィル処方箋の取り扱いのうち、別の薬局での調剤、紛失時の対応、投与日数の3つに答えます。
リフィル処方箋の2回目以降を別の薬局で調剤することはできますか
調剤できます。ただし、継続的な薬学的管理指導のため、患者には同一の保険薬局で調剤を受けるべきである旨を説明しましょう。
患者から次回は他の保険薬局で調剤を受けると申し出があった場合、薬局は調剤の状況とともに必要な情報を当該薬局へ提供するか、その情報を記録したものを患者へ渡します。
患者がリフィル処方箋を紛失した場合はどのように対応しますか
紙のリフィル処方箋は、調剤済みとならない回に患者へ返却され、次回の調剤まで患者が保管します※1。薬局にあるのは調剤録とともに保管する写しであり、再発行の可否や費用は交付元の保険医療機関の判断になります。まずは処方箋を交付した医療機関へ相談するよう案内しましょう。
なお、電子処方箋であれば患者が紙を保管しないため、2回目・3回目の調剤時に処方箋をなくす心配がなくなります。
リフィル処方箋で90日分の薬を処方することはできますか
1回の使用による投与日数について、一律の上限は置かれていません。療担規則は、リフィル処方箋の1回の使用による投薬量と複数回の使用による合計の投薬量の両方を、予見することができる必要期間に従うものとしています※2。
リフィル処方箋には、14日分・30日分・90日分といった一律の投与日数制限はありません。投与日数やリフィル回数は、患者の病状等を踏まえて処方医が判断します。なお、麻薬や向精神薬など投与量に上限が定められている一部の医薬品は、リフィル処方箋の対象外です。
※1 出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添3 調剤報酬点数表に関する事項」(2026年8月12日閲覧)
※2 出典:e-Gov法令検索「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(2026年8月12日閲覧)
リフィル処方箋に迷わず対応するために
窓口でリフィル処方箋を受け付けたときに必要な判断は、次の5つに整理できます。
- 総使用回数の上限は3回。実際の回数は処方箋の「リフィル可」欄に記載される
- 1回目は処方箋の使用期間まで、2回目以降は次回調剤予定日の前後7日以内に調剤する
- 投与量に限度が定められている医薬品と貼付剤は、リフィル処方箋による調剤ができない
- 調剤済みとならない回は調剤日と次回調剤予定日を記載して返却し、写しを調剤録とともに保管する
- 調剤を行うごとに処方箋受付1回として算定し、調剤後の情報提供は服薬情報等提供料2のロで評価される
この5つを自店の手順書へ反映しておくと、受け付ける機会が少なくても、次回調剤予定日や処方箋の記載欄をその場で調べ直さずに対応できます。患者への説明も、総使用回数、次回の調剤ができる期限、同一の薬局で受けることの推奨の3つに整えておきましょう。
点数や算定要件は改定ごとに見直されます。現行の調剤点数表と留意事項通知をあわせて確認しましょう。