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緩和薬物療法認定薬剤師とは?2026年度の申請要件と試験を解説

緩和ケアの現場で経験を重ね、緩和薬物療法の専門性をさらに高めたいと考えている方もいるでしょう。緩和薬物療法認定薬剤師の申請では、これまでの経験と複数の要件を照らし合わせる必要があります。

緩和薬物療法認定薬剤師の申請には、実務歴、単位、学会発表、症例など、申請直前には揃えにくい要件が含まれます。さらに、2027年度には新規認定の審査方法、2028年度には更新要件の一部が変わる予定です。

2026年度の要件を基準に、申請から試験・更新までを順に整理し、申請年度に必要な実績と準備時期を示します。

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緩和薬物療法認定薬剤師の資格概要と役割

緩和薬物療法認定薬剤師は、患者の苦痛を和らげる薬物療法に薬学的な視点から関わるための専門資格です。日本緩和医療薬学会が認定する制度で、必要な知識・技能・態度を備えた薬剤師が対象です。 ※1

緩和薬物療法認定薬剤師には、緩和薬物療法に関する知識を実務に生かし、医師や看護師などの医療従事者と連携して患者の治療に関わる役割があります。※2

緩和薬物療法認定薬剤師の申請対象は、病院・診療所等に勤務する薬剤師だけではありません。2026年度は、麻薬小売業者免許を取得している保険薬局等で緩和医療に従事する薬剤師も申請できます。

※1 出典:日本緩和医療薬学会「日本緩和医療薬学会認定 緩和薬物療法認定薬剤師 2026年度(第17回)認定試験要項」(2026年7月26日閲覧)
※2 出典:日本緩和医療薬学会「緩和薬物療法認定薬剤師 認定制度の概要」(2026年7月26日閲覧)

緩和薬物療法認定薬剤師の2026年度申請要件

の新規申請では、募集要項に示された条件をすべて満たす必要があります。※1


確認項目
2026年度の申請要件
薬剤師免許日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備える
実務歴・会員資格薬剤師実務歴3年以上の日本緩和医療薬学会会員で、当該年度までの年会費を完納
指定資格指定された認定資格のいずれか1つ以上を保有
緩和医療従事歴対象施設で引き続き1年以上
単位・指定講習申請時3年以内に計60単位、毎年20単位以上を履修し、医療用麻薬適正使用推進講習会へ1回以上参加
学会発表日本緩和医療薬学会年会で、発表者として一般演題を1回以上発表
症例所定様式で6症例を提示
推薦所属長または保険薬局開設者の推薦を受ける

要件を確認したら、申請予定年から準備時期を逆算します。申請年だけでは補いにくい実績から先に着手しましょう。

  • 申請3年前から:学会入会後の認定単位を毎年確認し、計60単位と指定講習の受講を計画する
  • 申請1年以上前から:対象施設で緩和医療に従事し、申請時まで継続できるか確認する
  • 実務に従事している期間:学会発表の機会を確保し、対象期間に入る症例の介入内容と証明資料を保存する
  • 申請年:年会費、従事証明、推薦書、認定書類、発表要旨、症例報告、審査料の控えを揃える

認定申請には実務歴3年以上と指定資格が必要

緩和薬物療法認定薬剤師の申請者は、申請時点で薬剤師として3年以上の実務歴を有する日本緩和医療薬学会の会員であり、締切日までに当該年度までの年会費を完納している必要があります。

さらに、申請時点で次の資格のいずれか1つ以上が必要です。※1

  • 日病薬病院薬学認定薬剤師
  • 日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師
  • 日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師
  • 薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師

4つすべてを取得する必要はありません。申請前に最初に確認すべき項目は、自身が持つ資格の正式名称と有効期間です。認定証で確認しましょう。

認定申請には対象施設で1年以上の従事が必要

病院・診療所等の薬剤師は、申請時点で引き続き1年以上、緩和ケアチームまたは緩和ケア病棟を有する施設で緩和医療に従事していることが条件です。所属長の証明も求められます。

保険薬局等の薬剤師は、麻薬小売業者免許を取得する勤務先で、引き続き1年以上緩和医療に従事していることが必要です。保険薬局では薬局開設者の証明を受けます。※1

勤務年数だけではなく、対象となる施設で緩和医療に従事した期間と証明者を確認する必要があります。異動を予定している場合は、証明書を依頼できる時期も含めて申請年を検討しましょう。

認定申請には3年間で60単位と指定講習が必要

緩和薬物療法認定薬剤師の新規申請では、申請時3年以内に、日本緩和医療薬学会の会員として認定対象の講習等を計60単位、毎年20単位以上履修する必要があります。単位は同学会への入会後に取得したものに限られ、1月から12月を1年間として計算します。

入会年のみ、年間20単位に達していなくても申請できる扱いがあります。ただし、3年間の合計60単位は満たさなければなりません。

申請時3年以内には、厚生労働省や麻薬・覚せい剤乱用防止センター等が主催する「がん疼痛緩和のための医療用麻薬適正使用推進講習会」へ1回以上参加する要件もあります。

2026年度は、申請時に未受講でも同年10月または11月の講習を受講し、11月30日までに単位が日本緩和医療薬学会の会員専用ページへ付与されれば申請可能です。※1

認定申請には学会発表1回と6症例が必要

学会発表については、薬剤師として実務に従事している期間中に、日本緩和医療薬学会年会で緩和医療領域の一般演題を発表者として1回以上発表する必要があります。共同演者として名前があるだけでは、新規申請の要件を満たしません。

症例は、緩和医療領域における薬剤管理指導の実績から、所定様式で6症例を提示します。2026年度申請では、各症例の初回介入日が2024年1月1日から2026年9月の申請時までに入っている必要があります。

保険薬局薬剤師は、地域緩和ケアネットワーク研修先の病院で担当した症例を含められる場合があります。その場合は、ネットワーク研修修了書または報告書を所定様式へ統合して提出します。※1

症例数だけでなく、初回介入日・自身の介入内容・証明資料まで一体で管理しておくと、申請時の確認が進めやすくなります。

※1 出典:日本緩和医療薬学会「日本緩和医療薬学会認定 緩和薬物療法認定薬剤師 2026年度(第17回)認定試験要項」(2026年7月26日閲覧)

認定申請の準備とあわせて、緩和薬物療法に関連する疾患や薬の知識を継続的に学んでいきましょう。

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緩和薬物療法認定薬剤師の申請から試験までの流れ

2026年度の申請は、必要書類の準備、Web申請、書類審査、試験料の支払い、CBT試験、合格発表の順に進みます。申請するだけではなく、書類審査を通過して初めてCBT試験へ進む方式です。※1

手続き2026年度の日程・費用
審査料13,000円
申請期間2026年9月1日10時から9月30日17時まで
書類審査結果2026年12月下旬に郵送
試験料20,000円。2027年1月8日までに振込
CBT試験2027年1月24日13時から15時まで
結果通知2027年2月下旬から3月初旬

表の日程・費用は2026年度に限られます。2027年度以降に申請する方は、その年度の募集要項で確認しましょう。

申請前に証明書・症例報告・推薦書を準備する

新規申請では、緩和医療従事の証明、履修単位、症例報告、所属施設長等の推薦書、学会発表実績、前提資格の認定書類、審査料の振込控えなどを揃えます。病院・診療所用と保険薬局用では、緩和医療従事証明の様式が異なります。※1

症例報告と認定申請書はWebシステムへ直接入力します。学会が公開する下書き用ファイルや症例報告書作成の手引きで内容を整えてから入力すると、転記漏れを防ぎやすくなります。

発表要旨、介入記録、参加証明は、申請を決めた時点ではなく取得時に保存しておきましょう。複数年分を申請直前に探す負担を減らせます。

申請書類はPDF化してWebシステムへ提出する

申請者は日本緩和医療薬学会の会員専用ページへログインし、Web申請システムへ必要事項を入力します。ダウンロードして作成した書類はPDF化し、指定欄へアップロードします。

書類を登録しただけでは申請完了になりません。申請期限までに「この内容で申請する」ボタンを押し、申請完了通知の自動配信メールが届いたことまで確認する必要があります。

推薦書がない場合や書類に不備がある場合は、CBT試験を受験できません。※1PDFのファイル名・ページ順・署名や証明の有無を確認し、アップロード後は登録内容を画面上で再確認してください。

書類審査合格後に指定会場でCBTを受験する

2026年度のCBT試験は選択方式40問で、指定書籍や複数の緩和医療関連ガイドラインが出題範囲です。試験時間は2時間で、受験者は全国16か所の指定テストセンターでパソコンを使って回答します。

試験会場は、日本緩和医療薬学会の会員専用ページで選択している連絡先の都道府県に応じて割り当てられます。自由に会場を選択する方式ではありません。受験案内と、案内に印字された姓と一致する顔写真付き身分証明書が必要です。※1

CBT試験の準備では、当該年度の募集要項に記載された出題範囲を確認しましょう。

※1 出典:日本緩和医療薬学会「日本緩和医療薬学会認定 緩和薬物療法認定薬剤師 2026年度(第17回)認定試験要項」(2026年7月26日閲覧)

2027年度から変わる緩和薬物療法認定の審査方法

2027年度募集から審査方法が変わります。変更点は、書類選考とCBT試験の合格判定、および翌年度の審査免除です。

2027年度から書類選考とCBTの両方に合格が必要

2027年9月募集からは、書類選考と認定CBT試験の両方が実施され、双方の合格者が認定されます。申請時期は9月、CBT試験は翌年1月という基本日程に変更はありません。※1

2026年度までのように「書類審査の結果を待ってから試験受験が決まる」と考えず、申請時点から症例報告などの書類とCBT試験の学習を並行して進める必要があります。

書類かCBTのみ合格なら翌年度は合格した審査を免除

書類選考だけに合格し、CBT試験が不合格だった場合、翌年度は書類審査が免除されます。反対に、CBT試験だけに合格し、書類選考が不合格だった場合、翌年度は試験が免除されます。

公表資料で免除が示されているのは、合格した審査項目の翌年度分です。再申請する年度の募集要項で、免除の対象を確認してください。※1

※1 出典:日本緩和医療薬学会「緩和薬物療法認定薬剤師 認定制度改定のご案内」(2026年7月26日閲覧)

緩和薬物療法認定薬剤師の更新要件

緩和薬物療法認定薬剤師の認定期間は5年間です。資格を継続するには5年ごとの更新が必要で、新規申請とは必要な実績の期間・単位・症例数が異なります。

現行の更新要件は100単位・発表・5症例など

2026年度の新規申請と2027年度までの更新では、主な要件に次の違いがあります。新規申請と更新では実績の対象期間が異なるため、認定後も更新要件に沿って記録を続けます。※1・2

確認項目2026年度の新規申請2027年度までの更新
会員・指定資格申請時に学会員で、指定資格を1つ以上保有。当該年度までの年会費を完納認定期間中継続して学会員で、申請時に指定資格を1つ以上保有。当該年度までの年会費を完納
緩和医療従事歴緩和ケアチーム・病棟を有する病院・診療所等、または麻薬小売業者免許を取得する保険薬局等で引き続き1年以上病院・診療所等、または麻薬小売業者免許を取得している保険薬局等で、認定期間内に合計3年以上
単位申請時3年以内に計60単位、毎年20単位以上認定期間内に計100単位、毎年10単位以上
年会・学会発表日本緩和医療薬学会年会で発表者として1回以上発表同学会年会へ2回参加し、同学会年会または別に定める学術集会で1回以上発表。共同演者も可
医療用麻薬適正使用推進講習会申請時3年以内に1回以上参加認定期間内に1回以上参加
症例6症例自身が薬学的介入を行った5症例

休職・留学などの理由があり、所定様式で上長の証明を受けた場合、その年だけ年間10単位に満たなくても申請できる扱いがあります。ただし、5年間で合計100単位は必要です。

正当な理由がある場合、委員会の承認を得て更新申請を最長3年間保留できます。保留期間中は緩和薬物療法認定薬剤師の資格名称を使用できません。※2

更新準備は5年目に始めるのではなく、単位・年会参加・発表・症例を認定期間の初年度から記録することが欠かせません。

2028年度から前提資格を廃止し必須受講を変更

更新要件は2028年11月募集から改定されます。認定期間5年、緩和医療従事歴3年、計100単位・毎年10単位、5症例の要件は変更されません。学会発表も1回のままですが、2028年度からは日本緩和医療薬学会年会での発表が対象になります。

一方、更新時に求めていた他学会等の認定資格は、要件から削除されます。必須受講も変更され、医療用麻薬適正使用推進講習会は更新時の必須受講から外れます。

2028年度以降は、日本緩和医療薬学会年会へ2回以上参加したうえで、同学会の教育セミナー・在宅緩和ケア教育セミナー・臨床研究セミナー・pSMILEのうち、いずれか2企画以上を受講することが必要です。※3

2027年度までに更新する方と、2028年度以降に更新する方では確認すべき必須受講が異なります。自身の更新年度を先に確認し、該当する要項で計画を立てましょう。

※1 出典:日本緩和医療薬学会「日本緩和医療薬学会認定 緩和薬物療法認定薬剤師 2026年度(第17回)認定試験要項」(2026年7月26日閲覧)
※2 出典:日本緩和医療薬学会「資格更新要項」(2026年7月26日閲覧)
※3 出典:日本緩和医療薬学会「緩和薬物療法認定薬剤師 認定制度改定のご案内」(2026年7月26日閲覧)

緩和薬物療法認定薬剤師のよくある質問

保険薬局からの申請可否、緩和医療専門薬剤師との違いに回答します。

保険薬局の薬剤師も認定申請できますか

はい。麻薬小売業者免許を取得している保険薬局等に勤務し、申請時点で引き続き1年以上、緩和医療に従事しているなどの要件を満たせば保険薬局の薬剤師も申請できます。薬局開設者による従事証明と推薦が必要です。※1

緩和医療専門薬剤師とは何が違いますか

緩和薬物療法認定薬剤師と緩和医療専門薬剤師は、同じ日本緩和医療薬学会が認定する別の資格です。2025年度の緩和医療専門薬剤師要項では、薬剤師実務経験10年以上に加え、病院薬剤師の規定による緩和薬物療法認定薬剤師として引き続き5年以上で、1回以上更新していることなどが申請条件に含まれています。

専門薬剤師では、認定研修施設での研修歴や、より多くの単位・症例、口頭試問なども求められます。※2制度上の違いは、ためとこの「認定薬剤師と専門薬剤師の違い」解説記事もあわせてご覧ください。

※1 出典:日本緩和医療薬学会「日本緩和医療薬学会認定 緩和薬物療法認定薬剤師 2026年度(第17回)認定試験要項」(2026年7月26日閲覧)
※2 出典:日本緩和医療薬学会「緩和医療専門薬剤師 2025年度(第6回)認定試験要項」(2026年7月26日閲覧)

緩和薬物療法認定薬剤師を目指すなら

緩和薬物療法認定薬剤師を目指すなら、申請年度の募集要項と、単位の履修証明、発表要旨、症例記録、勤務先に依頼する証明書を照合しましょう。単位・発表・症例は申請直前に揃えにくいため、申請年から逆算した準備が必要です。

2027年度からは書類選考とCBT試験の両方に合格する方式へ変わり、2028年度からは更新時の前提資格と必須受講が変更されます。新規申請の年度と将来の更新年度を分け、それぞれに適用される要項を確認しましょう。

緩和薬物療法認定薬剤師の認定単位と、ためとこで取得できる研修認定薬剤師制度の単位は、対象となる認定制度が異なります。申請時は、それぞれの単位を分けて管理しましょう。

ためとこでは、研修認定薬剤師制度に対応したeラーニングと単位管理機能を提供しています。日々の生涯学習にお役立てください。

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