コラム

調剤管理料は4区分から2区分へ、加算も見直し【2026年診療報酬改定情報】

2年に1度行われる診療報酬改定ですが、2026年(令和8年)の改定では、薬局・薬剤師の業務評価の一つ、調剤管理料の区分や加算が大きく見直されました。診療報酬体系の変更を読み解くことは、国や社会がこれからの薬剤師に何を求めているかを理解することにつながります。

この記事では、対人業務の一つである調剤管理料の変更点と、現場で意識すべきポイントを解説します。

背景

2022年度の改定では、調剤業務は薬というモノに対する対物業務(調剤料)と、患者というヒトに対する対人業務(調剤管理料)に分けて評価できる改革が行われました。調剤管理料は、調剤前の処方監査や薬学的分析といった質の高い対人業務に対する評価です。

これまで、処方日数が長いほど薬学的分析の難易度も上がるという前提のもと、日数に応じた細かな点数差(4区分)が設けられていました。しかし、これは制度変更時の薬局経営への急激な影響を和らげる「激変緩和」の意味合いも強かったと考えられています。今回の改定でその過渡期を終え、より本来の業務実態に即した評価体系へと改定されたと思われます。

概要および変更点 

今回の改定では、処方日数による細かな点数区分が撤廃され、よりシンプルな構造へと再編されました。また、加算の統廃合も行われ、「ただ薬を多く出している状態」の評価が見直される一方、薬剤師の「介入による成果」がより高く評価される仕組みに変わっています。

現行の4区分から2区分へ簡素化

これまで内服薬の調剤管理料は処方日数に応じて4区分に分かれていましたが、2026年改定で「28日分以上(長期処方)」と「27日分以下」の2区分へと大幅に簡素化されました。

【調剤管理料】

改定現行
1 内服薬(内服用滴剤、浸煎薬、湯薬および屯服薬であるものを除く。)を調剤した場合(1剤につき) イ 長期処方(28日分以上)の場合 60点 ロ イ以外(27日分以下)の場合10点   2 1以外の場合 10点1 内服薬(内服用滴剤、浸煎薬、湯薬および屯服薬であるものを除く。)を調剤した場合(1剤につき) イ 7日分以下の場合 4点 ロ 8日分以上14日分以下の場合28点 ハ 15日分以上28日分以下の場合50点 ニ 29日分以上の場合 60点 2 1以外の場合 4点

日数が短い処方の点数が引き上げられた一方で、中間の日数の評価がフラットになり、「日数が長ければ長いほど点数が高い」という単純な構造からの脱却が図られています。

調剤管理加算の廃止

複数の医療機関から6種類以上の内服薬が処方されている患者に対し、服薬状況を一元把握し薬学的管理をした場合に算定できた調剤管理加算(初回・2回目以降は変更もしくは追加があった場合3点)は廃止されました。この加算は、複数の薬を管理する薬剤師の労力を評価するものでした。

しかしながら、国が多剤併用(ポリファーマシー)の是正を強力に推進しています。そのなかで、「薬の種類が多い(6種類以上)状態を維持したほうが加算を取れる」という構造は、ポリファーマシー是正という本来の目的に逆行しているのではないかという指摘があり、今回見直される形となったものと思われま。

重複投薬・相互作用等防止加算の廃止、調剤時残薬調整加算と薬学的有害事象等防止加算の新設

これまでの「重複投薬・相互作用等防止加算」が廃止され、新たに「調剤時残薬調整加算」と「薬学的有害事象等防止加算」が新設されました。

  • 調剤時残薬調整加算: 疑義照会などにより調剤日数の変更が行われた場合に50点(それ以外で残薬調整した場合は30点)。
  • 薬学的有害事象等防止加算: 疑義照会などにより処方変更が行われた場合に50点(それ以外の介入で防止した場合は30点)。

重複や相互作用を防ぐだけでなく、医師へ働きかけて「処方内容や日数を実際に適正化(変更)できたか」という結果(アウトカム)がより高く評価される設計になりました。

薬剤師さんが注意すべきポイント

今回の改定から見えてくるのは、限られた医療財源を有効活用し医療制度を維持するために、形式的な管理ではなく、薬剤師の介入による実質的な医療費削減・安全確保を国が強く求めているということです。

調剤前に「なぜこの処方なのか」「相互作用や重複はないか」を深く検討するプロセスがこれまで以上に重要になります。患者さんの日々の服薬状況を聞き出すコミュニケーション力と、薬学的知見に基づき「どうすべきか」の代替案を理由とともに医師へ伝えるプレゼン能力が、これからの薬剤師の必須スキルといえるでしょう。

まとめ

調剤管理料の区分見直しや新設された加算は、薬剤師が指示通り薬を出す存在から、継続的な対人業務(薬学的管理・指導)をする専門職へ、チーム医療や地域包括ケアの担い手へと移行したことを示しています。

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