野菜ジュースは健康にいい?メリット・デメリットを解説!
2025.09.19

「野菜ジュース=健康的」というイメージを持つ方は多いですが、実際には糖分や食物繊維の点で注意すべき点があります。
本記事では、野菜ジュースのメリットとデメリットなどについてわかりやすく解説します。
目次
野菜ジュースのメリット
野菜ジュースは「健康的な飲み物」として広く親しまれています。手軽に飲めるうえ、ビタミンやミネラルを効率的に補給できる点が大きな魅力です。
特に忙しい方や野菜不足を感じている方にとっては、日常の栄養補給に役立つサポート飲料といえるでしょう。ここでは、野菜ジュースの具体的なメリットを整理して解説します。
手軽に栄養補給できる
野菜ジュースは、忙しい方でも短時間で栄養を摂れるのが大きなメリットです。コンビニやスーパーで手軽に買えるため、野菜不足を感じたときの「応急処置」として役立ちます。
生野菜よりも吸収率の上がる栄養素がある
製造過程で加熱処理されることにより、一部の栄養素は壊れるものの、βカロテンやリコピンなどの脂溶性ビタミンは吸収率が上がることが知られています。そのため、ジュースとして飲んだ方が効率よく摂取できる栄養素も存在します。
価格が安い
旬の野菜を毎日そろえるのはコストがかかりますが、野菜ジュースなら比較的安価で栄養補給できます。特に1本あたり100円代で購入できる製品もあり、コスト面のメリットは大きいです。
野菜が苦手でも飲みやすい
野菜が苦手なお子さんでも、果物とミックスされて飲みやすく調整された製品が多いため取り入れやすいです。また、高齢の方にとっては、固形の野菜を噛む・飲み込むのが難しい場合でも、ジュースなら手軽に栄養を摂れるというメリットがあります。
調理の手間がなく、長期保存も可能
カットや調理の必要がなく、長期保存できることも大きな利点です。災害時の備蓄や旅行時の栄養補給としても利用価値があります。
野菜ジュースのデメリット
野菜ジュースは手軽に栄養を補える反面、気をつけたいポイントもあります。栄養が十分に摂れない場合や、飲み方によっては健康にマイナスになることもあるのです。ここからは、野菜ジュースのデメリットについて整理していきましょう。
製造過程で減少する栄養素がある
野菜ジュースは製造時に加熱処理されるため、熱に弱いビタミンCや葉酸はどうしても減ってしまいます。さらに、生野菜に含まれる「不溶性食物繊維」は工程の中で取り除かれることが多く、便通改善や咀嚼による満腹感といった効果は期待しづらいのが現状です。
一方で、水溶性食物繊維はジュースにある程度残るため、血糖値の上昇を緩やかにしたり、コレステロール排出を助けたりといった働きは維持されています。
つまり、野菜ジュースは「栄養がすべて失われているわけではない」ものの、「生野菜そのものと同じ効果を得られるわけではない」と理解することが大切です。
すべての栄養素はまかえない
「1日に必要な野菜が摂れる」とうたっている野菜ジュースもありますが、これはあくまで「使用した野菜の量が基準に達している」という意味です。摂取できる栄養素がすべて充足しているわけではありません。
特にカルシウムや鉄、亜鉛といったミネラル類は含有量が不足していることが多く、生の野菜から得られる栄養バランスとは異なります。たとえば鉄分は調理や加工過程で失われやすいため、ほうれん草や小松菜を使ったジュースでも十分に残っているとは限りません。
野菜ジュースだけで野菜を完全に代替するのは難しいため、あくまで補助的な位置づけとして考えることが大切です。
糖分の過剰摂取
野菜ジュースに含まれる糖分にも注意が必要です。野菜そのものに含まれる糖分(ブドウ糖・果糖)に加え、飲みやすくするために、果汁や甘味料が加えられている商品も少なくありません。
その結果、200mlパックで20g近い糖質を含むものもあり、清涼飲料水とほとんど変わらない糖質量になるケースも見られます。飲みやすさからつい量をとりすぎるとカロリーオーバーにつながり、肥満や血糖値上昇のリスクを高めてしまう可能性があるため、注意が必要です。
特に野菜ジュースをダイエットに取り入れている方は、「健康的だからたくさん飲んでも大丈夫」という誤解が逆効果を招くことがあるため、量とタイミングを意識することが重要です。
塩分・添加物
野菜ジュースには、飲みやすさや保存性を高める目的で塩や酸味料、香料、pH調整剤などの添加物が加えられることがあります。塩分については、1本あたり食塩相当量が1g前後含まれる製品もあり、高血圧の方にとっては注意が必要です。
また、酸味料や香料といった添加物は少量であれば問題ありませんが、毎日複数本を飲むような習慣になると、知らず知らずのうちに摂取量が増えてしまいます。健康維持を目的に飲むはずが、結果的に塩分過多や不要な添加物の摂取につながるリスクがあることを理解して選ぶ必要があります。
おすすめの選び方と効果的な飲み方
野菜ジュースは手軽に栄養を補える一方、種類や飲み方によって健康効果は大きく変わります。成分表示をよく確認し、生活習慣に合わせて取り入れることで「健康的に飲む」ことが可能になります。ここでは、選び方のポイントと飲み方の工夫を解説します。
無添加・低糖タイプを選ぶ
野菜ジュースを選ぶ際は、砂糖や食塩が無添加のタイプがおすすめです。成分表示を確認し、「糖分控えめ」「野菜100%」などを目安にすると安心です。
特に、ダイエット中の方や血糖値が気になる方には「糖分控えめタイプ」が適しています。また、高血圧の方にとっては「無塩タイプ」を選ぶことが大切です。普段から健康維持のために取り入れたい方も、余計な糖分や塩分を避けることで、より自然に近い形で野菜の栄養を補うことができます。
食事と一緒に摂る
野菜ジュースの効果的な飲み方の基本は、ジュース単体で済ませるのではなく食事と一緒に摂ることです。野菜ジュースだけでは不溶性食物繊維やカルシウム、鉄などが不足するため、主食・主菜・副菜と組み合わせて飲むことで初めてバランスが整います。
ダイエット中の注意点
「カロリーオフ」や「カロリーゼロ」と書かれていても、実際には糖質やカロリーが少量含まれていることがほとんどです。特にダイエットを目的に大量に飲むと、逆にカロリーオーバーになり、体重増加を招くリスクがあります。ダイエット中は「1日1本まで」など、量を決めてコントロールすることが重要です。
糖質やカロリー表示についてさらに詳しく知りたい方は、「糖質と糖類の違い」についてまとめた記事もあわせてご覧ください。
まとめ
野菜ジュースは手軽に栄養を補える便利な飲み物ですが、すべての栄養素をまかなえるわけではありません。加熱で失われるビタミンや不足しがちな食物繊維、さらには糖分や塩分の摂りすぎに注意が必要です。
基本は野菜をそのまま食べることを大切にしつつ、野菜ジュースは補助的に活用すると安心です。また、選ぶ際は「無添加・低糖タイプ」を目安にし、飲みすぎず、生活習慣に合わせて取り入れることがポイントです。日常にうまく取り入れることで、健康的な食生活のサポートとなるでしょう。
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