薬剤師の平均年収は?年齢・職場・地域別比較と収入アップのヒント
2025.09.11

薬剤師の平均年収はご存じでしょうか。厚生労働省の最新データでは約577.9万円と報告されていますが、勤務先や地域、年代によって差があります。また調剤薬局やドラッグストア、都市部と地方など、環境によって収入は大きく変動します。この記事では、年齢・職場・地域別の年収を比較し、収入アップのヒントも紹介します。
目次
最新データに基づく薬剤師の平均年収
厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和5年)」によると、薬剤師の平均年収は約599.3万円と報告されています。これは全職種平均(約460万円)よりも高く、医療系専門職として安定した水準にあります。ただし、勤務先や地域、年齢によって大きな差があるのも事実です。
薬剤師の平均年収を年代・職場・地域で比較
薬剤師の収入は一律ではなく、年齢や勤務先、働く地域によって大きく異なります。ここでは、それぞれの視点から年収の傾向を見ていきましょう。
性別・年齢別の比較
薬剤師の年収は、キャリアの積み重ねとともに徐々に上昇します。若手のうちは経験や役職に限りがあるため水準が低めですが、30代以降になると安定感が増し、40代以降は管理職などに就くことで大幅な年収アップも可能です。ライフイベントにより勤務形態を変更するケースも多いため、男女差よりも「働き方」の違いが収入に直結します。
- 20代:年収400万~450万円程度が目安
- 30代:年収500万前後に上昇
- 40代以降:管理職や役職に就くことで年収600万~700万円も可能
- また、性別による大きな差はないものの、ライフイベントに伴う勤務形態の違いが収入に影響するケースがある
職場(薬局・病院・ドラッグストア・企業・製薬)別の比較
職場の選択によって、年収水準は大きく変わります。調剤薬局や病院は安定した働き方ができる一方、ドラッグストアや製薬企業、MR職は実績や役職によって高収入が期待できるのが特徴です。自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせて、どの職場を選ぶかが収入アップのカギとなります。
- 調剤薬局:約550万円前後
- 病院:約500万円前後(夜勤の有無で変動)
- ドラッグストア:600万円を超えるケースも(店舗管理職やOTC販売に強いと高収入)
- 製薬企業・研究職:700万円以上も可能
- MR(医薬情報担当者):実績に応じて年収800万円以上を得る人も
地域別の比較
地域ごとの薬剤師の年収差も見逃せません。都市部では競争が激しいものの手当や福利厚生が手厚いケースが多く、地方では人材不足を背景に給与水準が高めに設定される傾向があります。
実際、賃金構造基本統計調査のデータでも、首都圏以外の県が上位にランクインしています。勤務地選びは年収に直結する重要なポイントといえるでしょう。
順位 | 都道府県 | 平均年収 |
1 | 熊本県 | 761.8万円 |
2 | 広島県 | 715.7万円 |
3 | 山口県 | 687.9万円 |
4 | 新潟県 | 686.9万円 |
5 | 大分県 | 677.2万円 |
全国平均 | 599.3万円 |
薬剤師が年収を上げるためにできることとは
薬剤師として収入を上げるには、「今の職場で昇進を目指す」か「環境を変える」か、もしくは「資格を取得して専門性を高める」という選択肢があります。
現在の職場での昇進条件を確認する
今の勤務先で収入アップを望む場合は、昇進や役職への就任がポイントです。
- 管理薬剤師
- 店舗責任者やエリアマネージャー
- チームリーダー
これらのポジションにつくと基本給や手当が加算され、年収が数十万円単位で上がることもあります。
職場や雇用形態を見直す
転職や働き方の変更も有効な手段です。
- 企業勤務(研究職・MR):高収入を狙いやすい
- 派遣薬剤師:時給3,000円以上も珍しくなく、短期間で効率的に稼げる
- 夜勤ありの病院勤務:夜勤手当で収入が上乗せされる
ただし、ライフスタイルや働きやすさとのバランスも考える必要があります。
認定薬剤師などの資格を取得する
薬剤師としてのスキルを高め、キャリアや収入を伸ばすには、資格取得による専門性の強化が効果的です。代表的なものに「専門薬剤師」と「認定薬剤師」があります。
専門薬剤師は、がんや感染症、精神科領域など高度な専門知識を持ち、医師や多職種と連携しながら治療に深く関わる資格です。取得難易度は高いですが、その分専門性が評価され、病院でのポジションアップや研究分野での活躍にもつながります。
一方で、認定薬剤師はより幅広い分野に対応できる資格で、地域医療や在宅医療、薬局業務などさまざまな場面で需要があります。取得のハードルは専門薬剤師より低いため、働きながら学びたい薬剤師にとって挑戦しやすく、キャリア形成や年収アップにも直結しやすいのが特徴です。
資格取得には一定の学習時間や計画性が求められるため、効率的に学習を進められる仕組みを取り入れることが大切です。近年はオンラインで受講できる学習支援サービスも充実しており、勤務後や休日のスキマ時間を活用しながら継続して取り組める環境が整っています。
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まとめ
薬剤師の平均年収は599.3万円ですが、年代・職場・地域によって差が生じます。収入アップを目指すには、昇進・転職・資格取得といった複数の道があります。自分のライフプランに合わせて最適な選択をし、知識とスキルを高めながらキャリアを築いていくことが重要です。
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