ドラッグストアで見つける!自分に合うシャンプーの選び方ガイド
2025.09.18

ドラッグストアには数多くのシャンプーが並び、お客様から「どれを選べばよいですか?」と相談されることも少なくありません。薬剤師として対応する際には、単に人気商品をすすめるのではなく、成分やお悩みに応じて適切に提案することが大切です。
この記事では、シャンプーの基本成分の違いや、性別・お悩み別の選び方を整理し、接客時に役立つポイントを解説します。
目次
シャンプー選びで注目すべき成分とは
シャンプーを選ぶときに最も重要なのが「成分」です。洗浄力の違いや保湿・補修効果、頭皮トラブルに有効な成分を理解することで、それぞれの髪や頭皮に合った商品を見つけやすくなります。
シャンプーの基本成分
シャンプーは主に「水」と「界面活性剤」、「保湿成分」、「有効成分」で構成されます。
界面活性剤とは、本来ならば混ざり合わない水と油を結合させる洗浄成分のことです。皮脂汚れ(油)と水を界面活性剤が結びつけることで、髪や頭皮に付着した皮脂や汚れを落としやすくし、フケや抜け毛といった悩みに対応する役割を担います。
界面活性剤には様々な種類があるため、自分の髪や頭皮に合ったものを見つけることが大切です。
界面活性剤の違い
シャンプーに含まれる主な界面活性剤の種類について解説します。
下記の表は、界面活性剤の種類ごとに使用感を表したものです。
シャンプーを選ぶ際の参考にしてください。
界面活性剤の種類 | 洗浄力 | さっぱり感 | しっとり感 |
高級アルコール系 | ◎ | ◎ | × |
オレフィン酸系 | ◎ | ◎ | × |
石けん系 | 〇 | 〇 | △ |
アミノ酸系 | △ | △ | △ |
タウリン系 | △ | △ | 〇 |
ベタイン系 | △ | × | 〇 |
高級アルコール系
ラウレス硫酸Naなどに代表される強めの洗浄力を持つ成分。泡立ちが良く、皮脂やスタイリング剤をしっかり落とせる一方で、敏感肌や乾燥肌には刺激が強い場合があります。
オレフィン酸系
オレフィン(C14-16)スルホン酸Naなど。高級アルコール系と似た強い洗浄力があり、皮脂や汚れをしっかり落としますが、脱脂力が強めで髪がきしみやすいこともあります。
石けん系
脂肪酸Naや脂肪酸Kが主体。自然由来の成分でさっぱりした洗い上がりが特徴ですが、アルカリ性が強いため髪がきしむことがあります。
アミノ酸系
ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNaなど。低刺激で保湿性があり、乾燥肌や敏感肌に向いています。髪を優しく洗える一方、洗浄力はやや穏やかです。
タウリン系
ココイルメチルタウリンNaなど。アミノ酸系に似た性質で、マイルドな洗浄力と適度な泡立ちが特徴。肌への刺激が少なく、子どもや敏感肌の方にも使いやすいです。
ベタイン系
コカミドプロピルベタインなど。刺激緩和のために補助的に配合されることが多く、泡立ちを良くしたりコンディショニング効果を与えます。単独では洗浄力は弱め。
保湿・補修成分
ヒアルロン酸やセラミドは、頭皮や髪にうるおいを与え、乾燥によるパサつきを防ぎます。加水分解ケラチンやコラーゲンは、ダメージで傷んだ髪の内部に浸透し、ハリや弾力を取り戻すサポートをします。特にカラーやパーマを繰り返している方や、熱ダメージを受けやすい方には、これらの成分を含むシャンプーを選ぶと補修効果が高まりやすくなります。
フケや抜け毛に効果的な成分
フケやかゆみには、ピロクトンオラミンやグリチルリチン酸ジカリウムといった抗菌・抗炎症作用を持つ成分が役立ちます。皮脂や汚れを落とすことで頭皮環境を整えられることから、健やかな頭皮状態を保てます。
一方、抜け毛が気になる方には、アデノシンやパンテノールなど、血行促進や毛根をサポートする成分が有効です。頭皮のターンオーバーを助け、髪の成長をサポートする効果が期待できます。
男性と女性で異なるシャンプー選びのポイント
シャンプーは男女共通のアイテムですが、頭皮や髪の状態は大きく異なります。
そのため、性別に合わせて「何を優先すべきか」を意識すると、自分に合ったシャンプーが選びやすくなります。
男性の場合
男性は皮脂分泌が多く、ベタつきやにおいが気になりやすい傾向があります。そのため、適度に洗浄力のあるシャンプーを選ぶとよいでしょう。
また、薄毛・抜け毛予防には頭皮環境を整える成分が効果的です。メントール入りの清涼感があるタイプは爽快感を好む方に人気です。
短髪の方が多いことから、香りや仕上がりよりも「頭皮ケア重視」で選ぶのがおすすめです。
女性の場合
女性は乾燥やカラー・パーマによるダメージに悩む方が多いため、保湿・補修成分を含むシャンプーが適しています。
セラミドやヒアルロン酸でうるおいを与えたり、ケラチンやコラーゲンでダメージを補修したりする成分が入っているかを確認しましょう。
また、香りや仕上がり感を重視する方も多く、自分の好みに合わせて選べるのもポイントです。
お悩み別!シャンプーの選び方
頭皮や髪の状態に合わせてシャンプーを選ぶことが大切です。以下は代表的なお悩みと適した成分の例です。
フケ・かゆみが気になる方
抗菌・抗炎症成分(ピロクトンオラミン、ミコナゾール硝酸塩など)配合の薬用シャンプーが有効です。過剰な洗浄を避け、頭皮環境を整えることが改善のカギになります。
抜け毛や薄毛が気になる方
アデノシンやパンテノール配合のシャンプーがおすすめです。血行促進や毛根サポート効果を期待できます。
乾燥やパサつきが気になる方
アミノ酸系洗浄成分とヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分を組み合わせたタイプを選びましょう。髪のまとまりや潤いをキープできます。
敏感肌・子どもと一緒に使いたい方
無添加処方(香料・着色料・硫酸系界面活性剤フリー)のシャンプーが安心です。アミノ酸系やベタイン系成分を配合したものが低刺激でおすすめです。
くせ毛でまとまりにくい方
グリセリンや加水分解ケラチンなどの保湿・補修成分を含むタイプが向いています。シリコン入りでも重すぎない処方なら、髪のまとまりを改善できます。
まとめ
シャンプーを提案する際は、パッケージのキャッチコピーではなく「成分」と「お客様の悩み」に注目することが基本です。
- 皮脂が多い男性には洗浄力のあるタイプ
- ダメージが気になる女性には保湿・補修成分入り
- フケ、抜け毛、乾燥、敏感肌、くせ毛といった悩み別に適切な成分を含む商品
といった視点で整理しておくと、カウンセリング時に的確な提案ができます。薬剤師としての専門知識を活かし、お客様が安心して選べるサポートをすることが信頼につながります。
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