コラム

高尿酸血症とは?診断基準と合併症、予防のポイントを整理する

高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高い状態を指し、痛風や尿路結石の原因となるだけでなく、脳卒中や心臓病などの循環器疾患リスクとも関連しています。

本記事では、高尿酸血症の診断基準や進行によって生じる症状、性差の特徴を整理するとともに、食事や運動、飲酒習慣など予防につながる生活習慣改善のポイントについて解説します。薬剤師として患者指導に活かしたい基礎知識をまとめます。

※本記事は、「健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~」(厚生労働省)を出典としています。

高尿酸血症

高尿酸血症とは、血液中の尿酸が高い状態のことです。痛風や尿路結石、腎障害の原因となるほか、高尿酸血症がある人では、肥満や高血圧、脂質異常症、高血糖を複合的に合併することが多くなっています。また、脳卒中や心臓病などになりやすくなります。

高尿酸血症とは

血液中の尿酸が7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。

尿酸が高いだけでは、自覚症状はありませんが、進行していくと、結晶となった尿酸が関節・足先や耳たぶなどにたまります。そしてその部分に炎症が起こり、激痛の痛風発作が起こります。また腎臓にたまって結石ができると背中に痛みが生じ、尿管や膀胱に移行するとその部分で炎症を起こし、激痛を生じます。尿管で起こった場合は尿管結石、膀胱で起こった場合は膀胱結石といい、これらを合わせて尿路結石と言います。症状がない場合であっても、尿酸が高い状態が持続すると脳卒中、心臓病などの循環器病に至る場合もあります。

高尿酸血症や痛風・尿路結石は、男性に圧倒的に多い病気です。女性は女性ホルモンによって尿酸値がコントロールされるため、男性に比べれば少ないですが、女性ホルモンの分泌が低下する閉経後はやや増加します。

高尿酸血症の予防

予防には、主に以下が有効です。

  • 食事中のプリン体の摂取が多い人はそれらを控える。プリン体は、白子類、レバー類、干物(マイワシ・マアジ・サンマ)などに多く、肉・魚全般にも中程度含まれる。
  • 野菜、果物、豆類、全粒穀類などをバランスよく摂取する。
  • 尿路結石予防のために水分を多くとる。
  • すべての種類のアルコールの量を減らし、特にビールは控える。
  • 甘い飲み物やジュースを控える。
  • 脈が少し速くなる程度の有酸素性運動を行う(少なくとも10分以上の運動を合計1日30分以上または60分程度が最適)。
  • 肥満がある人は、食事の見直しと運動で肥満を解消する。

なお、過度な運動や無酸素性運動を行うと、尿酸が産生されやすくなり、尿酸値が上昇しますので、尿酸がすでに高い人の場合は、ウォーキング程度の軽い有酸素性運動にとどめる必要があります。またよく「焼酎ならば大丈夫」と考える人がいますが、アルコール自体に尿酸を高くする働きがありますので、すべての種類のアルコール類を控えることが大切です。

(最終更新日:2024年7月5日)

山岸 良匡(やまぎし・かずまさ)
順天堂大学大学院医学研究科 公衆衛生学 教授
 
茨城県出身。2000年筑波大学医学専門学群(現・医学類)卒業、03年筑波大学大学院博士課程修了。医師、博士(医学)、社会医学系専門医・指導医。筑波大学講師、准教授、ミネソタ大学客員講師などを経て、19年より筑波大学医学医療系社会健康医学教授。2024年より現職。循環器疾患などの生活習慣病の予防実践と疫学研究が専門。
●参考文献
日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会.高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版[2022年追補版].診断と治療社, 2022.
 
Teramura S, Sankai T, Yamagishi K, et al. Changes in cardiovascular disease risk factors during menopausal transition in Japanese women: the Circulatory Risk in Communities Study (CIRCS). Menopause. 2023;30(1):88-94.
 
●出典
「高尿酸血症」健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~(厚生労働省)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-007

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