かかりつけ薬剤師の要件とは?算定要件と研修認定薬剤師の必要性を解説
2026.01.23

かかりつけ薬剤師は、患者に継続的に関わり、服薬や生活全体を支える役割を担う存在です。その一方で、算定には厳格な要件があり、とくに「研修認定薬剤師の資格を有していること」は欠かせません。
本記事では、かかりつけ薬剤師の制度や算定要件を整理しながら、なぜ研修研修認定薬剤師の維持が重要なのか、失効時のリスクやキャリアへの影響までをわかりやすく解説します。
目次
かかりつけ薬剤師とは?役割と制度を整理
かかりつけ薬剤師制度は、患者が安心して薬物療法を続けられるよう、特定の薬剤師が継続的に服薬管理を行うしくみとして導入されました。複数の医療機関や処方内容を一元的に把握し、重複投薬や副作用を防ぐ役割が期待されています。地域包括ケアの推進において、薬剤師がより主体的に関わるための制度でもあります。
かかりつけ薬剤師制度が求められる背景
超高齢社会の進展により、患者の多くは複数の医療機関を受診し、多剤併用や重複投薬のリスクが高まっています。
このような状況では、薬の効果や副作用を継続的に確認し、薬物療法の安全性と有効性を確保することが不可欠です。かかりつけ薬剤師・薬局はその役割を担い、地域全体の医療連携の中で服薬情報の一元的な管理と薬学的指導を行うことが期待されています。
かかりつけ薬剤師の基本的な役割と業務内容
かかりつけ薬剤師は、患者の処方薬や市販薬まで含めた服薬情報を継続して把握し、多剤・重複投薬のチェックや副作用の確認など、薬学的管理・指導を行います。
また、在宅医療や地域医療機関との連携、必要に応じた相談対応も重要な役割です。かかりつけ薬剤師を持つことで、患者は薬の理解を深め、安心して治療を継続できるようになります。
患者の生活や治療背景を把握しながら薬物療法を支えるという点で、かかりつけ薬剤師は「薬の渡し手」から「患者の健康パートナー」へと進化した存在といえます。
かかりつけ薬剤師になるための必須要件
かかりつけ薬剤師指導料を算定するためには、薬剤師個人の要件と、勤務薬局の体制要件の双方を満たす必要があります。
薬剤師が満たすべき基本要件
薬剤師個人が算定要件を満たすためには、主に次の条件が必要です。
①保険薬剤師としての薬局勤務経験が継続して3年以上あること
病院勤務経験は1年を上限として含めることができますが、薬局実務が中心となります。
②1週間あたり平均勤務時間が32時間以上であること
育児・介護等の事情がある場合は、週24時間以上かつ週4日以上の短時間勤務でも要件を満たすことが認められています。
③該当の保険薬局に1年以上在籍していること
④研修認定薬剤師等の資格を取得していること
これは制度上、薬学的知識の水準を担保するための条件です。
届出時には、これらの経験・資格・勤務時間などを証明する書類が求められます。
これらに加え、地域医療への関与が評価される場合もありますが、基本要件としてまず抑えるべきは上記の項目です。
勤務薬局が満たすべき体制要件
薬剤師個人の条件に加えて、薬局自体の体制が整っていることも算定には不可欠です。
①服薬情報を一元管理できる薬歴管理体制が整っていること
患者の服薬履歴や副作用情報などを継続的に把握できる環境が必要です。
②相談体制の整備
患者からの問い合わせに対応できるよう、24時間・時間外の連絡手段や、対面での服薬指導を行う体制が求められます。
③パーテーション等のプライバシー保護
薬局内で患者と話をする際に第三者の視線や声が届かない配慮が必要です。
薬局全体として、かかりつけ薬剤師としての診療報酬算定の届出が行われていることも前提条件です。
こうした体制は、単に点数を算定するためだけでなく、継続的な薬学的管理・指導の実現という制度の本質でもあります。
算定対象となる患者
かかりつけ薬剤師指導料は、すべての患者に算定できるわけではありません。対象となるのは制度の趣旨に合致した患者で、主な条件は次のとおりです。
①同一薬局に複数回来局している患者であること
初回の同意取得日は算定できず、次回来局時以降から算定が可能です。
②患者本人から署名付きの同意書を取得していること
同意は必須であり、薬歴にも記録しておかなければなりません。
③1人の患者につき1薬局・1人の薬剤師のみ
月内で薬剤師が交代した場合は、新たな算定は翌月以降から可能になります。
これらの条件は患者の安全・継続性・信頼関係を重視した要件であり、単なる調剤業務とは区別された評価基準となっています。
なぜ「研修認定薬剤師」が必須なのか?失効時のリスク
かかりつけ薬剤師として業務を行ううえで、研修認定薬剤師資格は必須条件です。
資格が有効であることを前提に制度や診療報酬が設計されているため、更新を怠り失効すると、個人の評価だけでなく薬局全体の運営や収益にも直接的な影響が及びます。
更新期限が切れるとかかりつけ薬剤師指導料の算定不可
研修認定薬剤師の資格が失効した場合、その日以降かかりつけ薬剤師指導料の算定はできなくなります。たとえ患者から同意を得ており、これまで継続的に服薬管理を行っていたとしても、資格が無効であれば算定要件を満たさないためです。
この状態が続くと、
- かかりつけ算定ができず薬局の点数が下がる
- 大体の薬剤師を急遽立てる必要が生じる
- 患者との信頼関係にも影響が出る
といった問題が発生します。更新期限の失念=即業務制限につながる点は、かかりつけ薬剤師にとって非常に大きなリスクです。
会社(薬局)からのプレッシャーと更新管理
薬局経営の視点では、研修認定薬剤師の失効は売上や体制評価に直結する重大なミスと捉えられます。そのため、会社によっては資格取得の費用を補助したり、かかりつけ薬剤師を担うスタッフに対して、更新管理を厳しく求める薬局も少なくありません。
「自分の資格だから自己管理」では済まされない立場であることを理解し、計画的に更新を続けることが、かかりつけ薬剤師として長く働くための前提条件といえるでしょう。
かかりつけ薬剤師になると給料・年収は上がる?
かかりつけ薬剤師になることで、必ずしも「手当がいくら付く」と一律に決まるわけではありません。
しかし実務の現場では、評価・役割・キャリアの幅が広がることで、結果的に処遇改善につながるケースが多いのが実情です。
「かかりつけ手当」の相場と昇給への影響
かかりつけ手当は全国一律の金額が決まっているものではなく、薬局ごとに独自の基準で支給されているのが実情です。 実際には、かかりつけ薬剤師指導料の算定件数に応じて手当が発生したり、基本料との差額を評価として還元するしくみを取っている薬局もあります。
このような制度では、資格を持っているだけでなく、実際に算定や在宅業務を担っていることが評価につながります。
その結果、日々の手当だけでなく、昇給や役割拡大といった形で中長期的な処遇改善につながるケースも少なくありません。
かかりつけ手当は金額そのものよりも、算定できる薬剤師であること自体が評価されるしくみと捉えるのが現実的でしょう。
転職市場での価値:「認定あり」は有利か
かかりつけ薬剤師として算定実績がある人材は、 採用側から見ると「即戦力」「制度理解がある人材」と評価されやすくなります。
その結果、
- 条件交渉がしやすい
- 希望店舗・役割を任されやすい
- 地域連携や在宅対応など、付加価値のある業務に関われる
といったキャリア面での優位性につながる点も大きなメリットです。
「かかりつけ薬剤師」が研修認定薬剤師を維持し続けるコツ
かかりつけ薬剤師は、24時間対応や在宅業務などで日々の業務負担が大きく、資格更新のための学習時間を確保するのが難しい立場にあります。
だからこそ重要なのは、「頑張って時間を作る」ことではなく、無理なく続けられるしくみを選ぶことです。
仕事が忙しくても効率的に「単位」を取る方法
休日のたびに集合研修へ参加するやり方には、体力的にも時間的にも限界があります。
実際の現場では、まとまった学習時間を取るのではなく、投薬の合間や移動時間などのスキマ時間を活用して単位を積み重ねる薬剤師が増えています。
短時間でも継続できる学習スタイルを取り入れることで、更新時期になって慌てることなく、計画的に単位を確保しやすくなります。
まとめ:スマホ完結の「ためとこ」なら業務の合間に更新可能
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業務の待機時間や移動中など、細切れの時間でも学習を進められるため、忙しいかかりつけ薬剤師でも無理なく資格維持ができます。
単位取得の手間を減らすことは、結果的にかかりつけ業務を続けるためのキャリア維持にも直結します。更新を負担に感じ始めたら、学び方そのものを見直すことも考えてみましょう。
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